ふたり暮らし

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価値観の押し付け

ふたり暮らし。価値観の押し付け。

体質改善プログラム後の出来事

もう何年も前のことになるけれど、今でも思い出すとモヤモヤムカムカすることがある。下の記事(↓)で書いた、体質改善プログラムを行った後のことだ。

asukaze827.hatenablog.com

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プログラム中に飲んでいたサプリメントがすごく良かったので、それを個人的に購入したいと思い、とあるネットワークビジネスの会員に登録した。会員だと割引価格になるからだ。

 

会員になると、製品について学ぶ講義に参加できるようになる。身体のことに対して若干オタク味のある私は、すべての講義に参加し、自分が行ったプログラムについても真剣に学んだ。次からはトレーナー無しで自分でプログラムを組めるようになりたかったからだ。

 

家族だけでなく、かつての生徒さんたちにも教えてあげたいという思いが強く、けっこう熱心に講義に参加していた。

 

ひと通り学んだあと、以前の記事に書いたご家族(↓)が、コロナ禍によってご両親が早期退職をされ、人生の夏休みをエンジョイされているとのことで、ランチに誘ってくださった。いい機会だったのでプログラムの話をしようと思い、でもいかにもネットワークビジネスの誘いみたいにならないよう、もしプログラムをやりたいと言われたら、私が購入したものをこっそり割引価格で渡せばよい、と考えていた。

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そんな私の思惑が見透かされていたのか、アップの人たち(会員の先輩みたいなもの)から、ネットワークビジネスの可能性や素晴らしさについてとくとくと語られ、「葉月さんの持っているバックグラウンドは可能性に満ちあふれている。ぜひ、元生徒さんたちに会員登録してもらうことを目指してがんばりましょう!」という雰囲気になった。

 

私はネットワークビジネスがしたいんじゃなくて、このプログラムを教えたいだけなのに、この会社の人たちは、プログラムを教えた相手=会員登録の可能性がある!という思考なので、それはもう目の色を変えて私にあれこれと説明をし始めた。

 

南の島に興味がないと言ったら怒られた

アップの人たちが必死に自分たちのネットワークビジネスの素晴らしさについて説明する中に、「売り上げ目標を達成したら、石垣島への旅行がプレゼントされます」というものがあった。

 

ふーーーん、と思った。笑

 

私は今のところ、石垣島だろうがモルディブだろうが南の島には興味がない。暑いところは苦手だし、マリンスポーツも全然好きじゃないし、島の歴史的遺産?にも興味がない。でもあまりにも熱心に相手が説明してくるので、無下にするのも悪いと思い、黙って聞いていた。

 

その南国リゾートプレゼント企画は毎年やっているらしく、過去の写真も見せられた。美しい海と空をバックに、総勢20名くらいの人々が肩を組んで写っている写真。つまり、団体旅行である。

 

それのどこがご褒美なのだろう?と思ってしまった。100歩譲って「南国リゾートへの航空券と宿泊費用が出るのでご主人とどうぞ!」ならまだわかる。でも団体旅行って…

 

よくよく聞いてみると、目標を達成した人全員で南国リゾートへ行き、数々のオリエンテーションが組まれ、決起集会のようなものもあり、地元の人たちとの交流や、ボランティア活動までするのだという。

 

そんな旅行、お金を積まれても嫌である。

 

誰もが南国リゾートが好きなはず!という押し付けがましい価値観も大嫌いだし、お金持ちはボランティアをしている人が多いから、お金持ちになりたければボランティアをするのが当たり前!という押し付けも腹が立つ。そんなにボランティアがしたければ保健所に行ってわんこの1匹でも引き取ってくれればいいのに、そういうことをしている人は誰もいない。

 

私は犬や猫が好きなので、地元の犬猫保護施設に少額だが毎月寄付をしている。ボランティアというのは人に言われてやるもんではないと思うのだが。

 

だんだん腹が立って来た私は、「石垣島にはぜんっっっぜん興味無いです!焼けるのも嫌なんで!」と強めに断った。

 

私の言葉にいったんは黙った相手だったが、その数日後、さらに上の人の講義に呼び出され、他の人も何人もいる中で、「ビジネスで成功する人というのはマインドが違います。成功したかったら成功している人のそばで、その人と同じ行動を取ることが大事です。石垣島への研修旅行は、成功者と寝食を共にできる貴重な機会です。南国に興味がないなんて言ってる場合じゃない。焼けたくないなんて言ってる場合じゃない」と、暗にディスられた。笑

 

どうしてあの時言い返さなかったんだろう、と意見を押し付けられるままだった自分にも腹が立つ。みんながみんなビジネスで成功者になりたいと思っているという、その思考が私には理解できない。

 

私はプログラムをやった。たしかにとてもいいものだった。だから今後も使用したいと思って会員登録をした。会員登録をしないとすべての勉強会に参加できないからだ。やってみてとても良かったから、自分の大切な人に教えてあげたいと思った。ただそれだけだ。それを「ビジネスチャンスだ!」なんて思ったことがない私がおかしいというのだろうか。

 

プログラムと製品が本当にいい物なだけに、ネットワークビジネスに携わる人たちの、こういった価値観の押し付けが残念でならない。

 

そもそも成功者ってなんなのか

インスタで堀江貴文さんの何かの宣伝をみかけ、記事を読んでからというもの、「あなたも成功者になりたくありませんか?」というような広告がバンバン表示されるようになってしまった。
(肝心の記事の内容はまったく覚えていない。堀江さんご自身とはあまり関係なかったような記憶だけがある。笑)

 

そもそも成功者ってなんなのか。

 

私は思う。成功者とは、お金持ちだとか、人望があるだとか、尊敬される職業についているだとかは関係なく、「自分の好きなように生きている人」のことじゃないのかと。


球団を持ちたいと思って行動したり、メディア業界に革命を起こしたいと思って行動したり、ロケットを打ち上げてみたいと思って行動したり。つねに自分のやりたいことをやっている堀江さんは、その資産の有無に関わらず成功者であると思う。

 

それと同じように、結婚願望があった人が結婚したら、子どもが欲しかった人が出産したら、マイホームに憧れていた人が家を買ったら…。それらの人たちも全員成功者だと思っている。だって自分の夢を叶えているのだから。堀江さんとは夢の規模がちがうだけだ。
(もちろん、ここに挙げたのはあくまでも一例だ。)

 

「このビジネスで成功したい!」と思って行動するのと、ただ漠然と「成功したい!」と思ってビジネスを始めるのとでは天と地ほどの開きがある。お金持ちになれるならなんでもいいや!と思っている人のことを否定はしないが、そういう人はえてしてカモにされやすいのだということを、肝に銘じておいたほうがよい。

 

私が寄付をしている保護施設のホームページには、求人情報も載っている。そのほとんどがお散歩などのボランティアの募集だけれど、ごく稀に社員の募集がある。そこにははっきりと「体力的にとてもきついお仕事です。朝は早く、休憩時間も動物たちと一緒です。お給料が上がる見込みは少ないです。採用するにあたっては厳しい審査をさせていただいております」と書かれている。提示されているお給料も当然高くない。

 

けれど、しばらくするとその募集は消えているので、応募があるのだろう。はたからみればかなりきつい条件なのに、その仕事をやりたいと思う人がいるということは、その施設で働く人たちはみな成功者である、と私は思う。

 

そして最後はやっぱりここに戻る

職場のバイトの子たちが、1年のうちに何回もディズニーに行く。チケットの値上がりなんてなんのその。バイト代をすべてお小遣いにできる学生にとっては痛くも痒くもないのだろう。この前行ったばかりなのに、もう次の予定を立てていたりする。笑

 

「葉月さんはディズニー行かないの?」と、時々訊かれる。私たちはもう何年も行っていない。若い頃は大好きでよく行ったけれど、今の私の価値観では、安くないチケット代と交通費をかけてまで行くところではないのだ。もし行ったとしても、昔のようにアトラクションやグリーティングには興味が持てず、人混みを逃れてバーに入り浸ってしまうだけなのが目に見えている。これが歳をとったということなのだろうか。笑

 

ディズニーに価値を見出している子たちの前でそんなことも言えないので、「行きたいけどなかなか夫の休みがね〜」と言って濁している。

 

人の価値観は変化するもの。そして人それぞれまったく違うものである。周囲の雑音に惑わされず、自分の好きなものや時間を大切にしていきたい。どんなに素晴らしい人に出会っても、どんなに影響力のある人に出会っても、最後はやっぱりここへ戻ってくるのである。