ふたり暮らし

明日は明日の風が吹く

健康な体は積み重ねでできている

ふたり暮らし。健康な体は積み重ねでできている。
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健康に不安があった夫、自信があった私

今日は前回の記事の続きとなる。↓

asukaze827.hatenablog.com

 

友人から初めてプログラムの話を聞いた日の夜、夕食の席で夫にその話をした。私としてはプログラムの内容に興味はあったものの、自分がやることになるとは思ってもいなかったのだけれど、夫が「その話、もっと具体的に聞いてきて!」と予想外に食いついてきたのでびっくりした。

 

後になってから夫は、「黙っていたけど、あの時は自分の健康に不安があった。なんとかしたほうがいいと思っていたけど、どうしたらいいのかわからなかった」と打ち明けた。

 

あの頃の夫は、会社で健康診断があることを私に隠していた。会社員じゃない私は会社でそんなものがあるとは知らず、のちにプログラムを開始する際に、夫がトレーナーさんに健康診断の結果を話しているのを見て、「え!健康診断してたの!?」と驚いたのである。笑

 

健康に不安があった夫に対して、私のほうは自分の健康に絶対的な自信を持っていた。

 

ずっとバレエをやっていたので当然痩せていたし、その頃はまだ教師をやめたばかりで、それまでは毎日けっこうな運動量で汗もかき、ストレッチや筋トレもしていた。体力にも自信があった。

(今から思えば、毎年インフルエンザにかかったり風邪をひいたりしていたくせに、「大勢の子どもと接する仕事だから仕方ない」と気にしていなかった。さらに、毎日身体を動かしていたくせに冷え性で、あちこちこっていた。あの頃の私は、血流が悪く、免疫力もだいぶ低かったと思う。)

 

当初は夫だけがプログラムをやる予定だったのだけれど、プログラム中は一切普通の食事ができないということで、夫ひとりだけで取り組むのは難しいと言われ、「じゃあどうせなら私も一緒にやるか…」と、ついでにやることにしたのである。

 

血管年齢が夫より上だった私

プログラム前のカウンセリングでは、専用の機械で血管年齢などいくつかの項目をチェックする。当時の夫は結婚した時より20キロ近く太っており、運動習慣もなかったため、結果を怖がっていた。

 

トレーナーさんは夫の結果を見てとくに驚く様子もなく、「そんなに悪くないですよ。大丈夫」と言ってくださった。

 

夫の次に私が測定。先述した通り、私は自分の健康に絶対的な自信を持っていたため、「ふふふ。夫よ、見てなさい」と得意気に結果を待っていた。

 

ところが、トレーナーさんは私の結果を見て、「葉月さんのほうはだいぶ身体がお疲れですね」とおっしゃったのである。

 

ふたりの結果を見比べると、私の数値が夫より悪い項目がいくつもある。血管年齢も夫より上だ。最初は信じられず、「え、こっちがいい数値でこっちが悪い数値ですよね?」とトレーナーさんに詰め寄り、「いいえ、逆です」とバッサリ言われた。

 

こんなの絶対おかしい。だって私は痩せているし運動習慣もあるし、夫より6歳も若いのだ。こんな太った夫に血管年齢で負けるなんてありえない。この機械、壊れてるんじゃないの!?と思った。笑

 

測定結果にはまったく納得できなかったけれど、とにもかくにも、夫と私は6週間の体質改善プログラムに取り組むことになった。
(通常は2〜3週間らしいのだが、夫が「やるなら徹底的にやりたい」と言ったためこの長さになってしまった。)

 

夫と私の違いはどこにあるのか

プログラム中に「−2歳からの子育て」という項目を学び、私は自分の測定結果が予想外に悪かった原因はこれと同じなのかもしれないと思った。

 

うちの母は働いていて忙しかったことと、元来の新しもの好きな性格から、食卓にレトルト調味料が並ぶことがよくあった。家族で外食にいくこともわりとあったし、父の楽しみは仕事帰りにスーパーで買ってくるちょっとしたおつまみで、それを私は横からつまみ食いする子どもだった。

 

バレエをやっていると、レッスンの前にはお腹にたまるものは食べられないため、ゼリー系栄養補助食品やカロリー◯イトのようなものをかじるだけのことも多い。舞台やコンクールのために子どもたちだけで遠出する機会も多く、コンビニのおにぎりには大変お世話になった。リポ◯タンD的な栄養ドリンクやスポーツ飲料(しかもカロリーゼロのやつ)もよく飲んでいた。

 

一方で夫のほうは、専業主婦だった義母が今でいうミニマリストやシンプリストに近い考え方で、レトルト調味料やインスタント食品を使うことはほとんどない食卓で育った。ラーメンのスープですら、義母は自分で調味料を混ぜて作る人だ。家族で外食した経験も、片手で数えるほどしかないという。それに加えて、義父が趣味で畑をやっており、無農薬や低農薬で育てた野菜を、消費ノルマに追われながら毎日大量に食べなければならなかったそう。

 

私は、一人暮らししていた頃の夫が、なぜか回鍋肉の詳細なレシピを持っていて不思議に思ったことを思い出した。一人暮らしの男性が回鍋肉を食べたいと思った場合、料理が趣味とかでない限り、外食するかクッ◯ドゥを使うのが普通だ。でも当時の夫はその発想がなかったのである。

 

私は母にとても感謝しているし、親が共働きだったのが悪いというのでは決してなく、ただ単純に、その食生活の違いが大人になってからの夫と私の違いなのだろうと思った。

 

だってそれ以外に説明がつかない。一緒に暮らし始めてからはずっと同じものを食べているし、運動習慣のない夫は立派な中年体型だったのだ。「今の生活ではなく、子どもの頃からの積み重ねの違いですね」と言ってもらわなきゃ納得がいかない。笑

 

「え、自然派になったの?笑」と言われたプログラム直後

プログラムで味覚などがリセットされた私たちは、しばらく自分の手料理以外は食べられなくなってしまった。そんな私たちを見て、私の両親をふくめ、周囲の人はいろいろなことを言ってきた。すんなり受け入れてくれたのは義母だけである。

 

「え、自然派になったの?笑」
「ネットの情報に振り回されてるよ」
「国で認可されている添加物は安全だから」
「日本は世界一の長寿大国だよ?」などなど。

 

何を言われても平気だった。なぜなら、かつては私もまったく同じように思っていたから。

 

味の素論争なんて言葉もあるほど、食品添加物に関しては「安全!」派と「危険!」派とで争いが起きがちである。料理研究家のリュウジさんのTwitterやYoutubeのコメント欄はいつも大荒れだ。笑
(ちなみにリュウジさんのレシピは味の素を入れなくても普通においしくできる。)

 

仮に「認可されている添加物は人体に影響がない」という国の言うことを信用するとして、添加物の怖いところは、1種類だけならまだしも、体内で複数の種類が合わさった場合の安全性が確認されていないことである。ひとつの商品には複数の添加物が使われていることが多く、それらすべての組み合わせがほんとうに安全なのかどうか、誰も知らない。

 

私も今では時々外食もするし、忙しい日はコンビニ弁当で済ます日もある。心がけているのは、その頻度が徐々に増えていかないようにすることだ。

 

プログラム直後は一切ダメだった市販品も、少しずつ食べ慣れてくるとまたおいしく感じるようになった。それでもまだ舌がピリピリしたり、舌に張りつくような甘さに気持ち悪くなったり、お腹を壊したりする。食べたものを身体が嫌がっているのだな、とわかる。

 

有名ミニマリストたちの著書にもよくこれと似たような記述がある。食生活がシンプルになると味覚も本来のものにもどっていき、ジャンクなものを食べた時に体が反応すると。

 

私たち夫婦のような大袈裟な体質改善プログラムをしなくても、食生活をシンプルなもののみにしていけば、何年もかかるかもしれないけれど、身体は元気になっていく。

 

「妊娠する前にデトックスして身体を整え、健康で元気な身体に赤ちゃんを迎えましょう」というのが、「−2歳からの子育て」の学びであり、良くも悪くも自分の身体は長年摂取してきたものの積み重ねでできているのだな、という当たり前のことを実感したのであった。