ふたり暮らし

明日は明日の風が吹く

夫婦の関係性

ふたり暮らし。夫婦の関係性。
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両親の関係性

自分が結婚してから、あるいは30歳40歳と節目を迎えてから、母と同じ主婦という立場で自分の両親を見てみると、夫婦というのは不思議な関係だなと感じる。

 

似たもの同士で好みの合う夫婦と、正反対の性格で好みも合わない夫婦がいるとする。

 

私たち夫婦は前者で、両親は後者だ。

 

うちの両親は昔からちっさい喧嘩ばかりしている。もちろん、価値観とか生き方とか、より大きな共通点があるからこそ、両親は長年夫婦を続けていられるのだろうけれど、日常生活の些細なことに関しては、このふたりは本当に正反対だ。

 

関西出身の母と関東出身の父とでは、まず味つけの好みが全然違う。出す料理出す料理すべてにいきなり醤油をかける父に、母はいつも怒っていたし、父が作る料理はしょっぱいしょっぱいと言って母はあまり箸をつけなかった。

 

三姉妹の長女である母と、8人きょうだいの末っ子である父は性格も真逆だし、身長が30cmもちがうので、冷蔵庫の中をはじめ、家中の物の置く位置でいつも揉めている。

 

昔からよく思う。なんでこのふたりは結婚した?と。笑

 

自分が年齢を重ねて見えてきたこと

私は現在40歳。母が私の年齢の頃には中学生の娘がいたことになる。それを考えるだけで、両親を尊敬せずにはいられない。

 

私が中学生の頃といえば、バレエにめちゃくちゃお金がかかった時期だ。医者の娘や大企業の社長令嬢、祖父母が資産家という子が当たり前にゴロゴロいる世界で、普通のサラリーマン家庭の子も大勢いて、どのおうちも、子どものために親は血を吐く思いでお金を工面していたと思う。

 

うちの両親もそうだった。父は自営業だったので収入の波が激しく、私の中学〜高校にかけて一番お金がかかる時期に、父の経済状況はとても苦しかった。

 

私のバレエのお金を工面してくれたのは母である。そのことだけで、私は母に感謝の気持ちが湧いてきて止まらない。親が一番大変だった時期に、当の娘は反抗期だったのだ。大金をかけてもらっていたくせに、わがままもたくさん言ったし、親を傷つけることもたくさん言った気がする。過去の自分をぶん殴りたい。

 

今、私たち夫婦にかつての両親と同じことができるか?と訊かれたら絶対に無理だ。経済的にもそうだが、子育てを経験していない私は精神的にも大人になりきれていない。今の私たちがもし、好みや性格が正反対になったとしたら、お互いを受け入れて許容する心の耐性を持てないだろう。

 

子どもを育て上げるという大仕事を、夫婦で協力して乗り越えて来た父と母は、好みや性格が正反対でも、この先もお互いを受け入れ許容し、夫婦としてずっと支え合っていけるだろうと感じる。

 

母が増やすだけの観葉植物の世話をする父

母は昔から植物好きだ。お花ではなく葉っぱものを好む。家の中はツタと葉っぱの鉢植えだらけだ。

 

葉っぱやツタは鉢分けすると無限に増える。母は増やすだけ増やして放置することが多く、水をあげるのはいつも父。その言い訳として、「パパが高いとこに吊るすから届かない」と言い、父は「低いとこに吊るしたら俺が頭ぶつけるだろ」と言う。

 

母が、食べ終わったアボカドの種を育てているのを見た時は呆れた。そんなもの育てなくてもグリーンは腐るほどあるんだから、これ以上父の世話するものを増やさないほうがいいのに、と。

 

そんな娘の忠告なんてそっちのけで、なんか知らんうちに実家にはアボカドの鉢植えがいくつも増え、大きくなったものは庭に出しているらしい。父は「ひとつふたつならいいけど、ちょっと増やしすぎ」と文句を言いつつ、水をやったり落ちた葉っぱを取り除いたりとマメに世話をしている。

 

仲がいいんだか悪いんだか。笑
夫婦というのは不思議な関係性だなと最近とくにそう思う。