ふたり暮らし

明日は明日の風が吹く

困った習慣

ふたり暮らし。困った習慣。

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放置された靴下に殺意

最近友人が言っていたことに思わず笑ってしまった。

 

「昔はね、靴下をその辺に脱ぎ捨ててる旦那に殺意が沸いてたのね。けど最近はね、放置されてる靴下そのものに殺意が沸くわけ。わかる?この違い。坊主憎けりゃ袈裟も憎いってやつよ」

 

彼女は私より少し年上で、結婚生活も長い。普段はあまり家庭の愚痴を言ったりせず、いつも自分の大ボケに家族が迷惑しているという自虐ネタを面白おかしく聞かせてくれる人だ。すごく広いお家に住んでいて、その話しぶりからも裕福な暮らしがうかがえる。おっとりとしていてどこか浮世離れした感じの人である。

 

でも靴下の愚痴を聞いて、「この人も普通の主婦なんだなぁ」と思った。笑

 

あの広いお家のどこかで靴下を脱ぎ捨てられてたら、そりゃ殺意も沸く。脱ぎ捨てている夫への文句はもう出尽くして、靴下そのものに「自分で洗濯機のとこまで行きなさいよ!」と言いたくなるかもしれない。笑

 

放置された空き缶にイラッ

うちの夫も靴下をその辺に脱ぎ捨てるくせがある。家が狭いので拾って洗濯機に入れるまで10秒もかからないけれど、まあ手間といえばたしかに手間である。ただ私の場合は、夫が靴下をその辺に脱ぎ捨てることにはとくに腹は立たない。

 

私がものすごく嫌なのは、夫が飲み終わったビールの空き缶をその辺に放置しておくことだ。

 

空き缶はちょっとした衝撃で倒れたり転がったりするので、たとえ中が空でも床やテーブルが汚れる。しかも夫は缶でもグラスでもテーブルやデスクの端っこに置くくせがあるため、余計に気になるのだ。「あ!肘がぶつかる!」「あ!ほら落ちそう!」と見ていてハラハラしてしまう。

 

夫はひと缶目を飲み干すと、その空き缶を放置して冷蔵庫に次の缶を取りに行く。私ならどうせキッチンに行くのだから空き缶も一緒に持って行くけれど、夫にその考えはないらしい。だからテーブルのすみには次々と空き缶がたまっていく。一度、「キッチンに行くついでに持って行けばいいのに」と言ったら、そこから数回は持って行くようになったのだけれど、またすぐ手ぶらで行くようになった。忘れてしまうのだろうか。

 

夜はたいてい私のほうが早く就寝する。夫は自分が使った食器は洗って片付けてくれるのに、空き缶はそのままのことが多い。朝起きて、テーブルや夫のデスクに空き缶が何本も放置されているのをみるとげんなりする。

 

夫の性格的に、「面倒くさいからわざと放置した」ではないと思う。彼には空き缶が見えていないのだ。飲み干した瞬間、彼の意識から缶が消えるのかもしれない。

 

空き缶を洗ってビンカンの袋に捨てる作業は、1本だったらあまり手間ではないけれど、それが複数になると一気に面倒な作業になる。何本もの空き缶を朝から片付けるのはイライラして精神的にすごく良くないので、最近私は、夫が1缶飲み終わるたびに空き缶を持ってキッチンに行き、その場ですぐ洗うようにしている。

 

たとえ会話の途中だろうが気にしない。そこに空き缶があるだけで、それが気になってどうせ話の内容は入ってこないのだ。私が嫌味ったらしく(そんなつもりはないけれど。笑)空き缶を片付けるようになったせいか、夫も空き缶の存在を意識するようになった。キッチンに立つついでに空き缶を持って行くようになったのだ。

 

習慣はなかなか変えられない

しばらくは空き缶を自分で片付けていた夫だけれど、今はまた忘れるようになった。私が寝た後に飲んだ缶は必ずそのままになっている。

 

習慣というのは、大人になるとなかなか変えられない。子どもの頃からの積み重ねが大事なのだと思う。

 

彼氏や夫の「ぱなし癖」に怒る女性はとても多いというけれど、男性がみんなぱなし君かというとそうでもなく、実家の父の場合は、むしろ私や母のぱなし癖について口うるさく言う人だった。母は今でも毎日言われているらしく、「ほんっとに煩いんだからもう!」とよくぼやいている。笑

 

私は、父や(自分を棚に上げた)母から非常に口うるさくぱなし癖について言われ続けていたため、ありがたいことに(?)ぱなし癖のない大人になった。夫はどんな子ども時代を過ごしたのだろう?夫の母の性格から想像するに、息子のぱなし癖を口うるさく言って改善させようと苦労するよりは、「私が片付けたほうが早い」「それであとで本人が困ることになっても自業自得」と思っていたような気がする。笑

 

40過ぎた大人の習慣を、たとえ妻といえどもそう簡単には変えられない。夜中の間に出た何本もの空き缶を、責任を持って自分で片付けてもらおうと思ったこともあったけれど、夫が起きてくるまでそのままにしておくのが私には無理だった。結局、気になってしまったほうがやるしかないのだ。

 

習慣は変えられないけれど、工夫はできる

夫には数々のぱなし癖がある。かつては開けた引き出しすら閉めない人だった。夫が一人暮らししていた部屋では、下手すると家中の引き出しが開いていることもあったぐらいだ。自分の家なのにどこに何があるか把握しておらず、いつも探し物をしていた。

 

私が「この引き出しは何入れ?」と訊くと、答えは必ず「その他入れ」。物を分類するという習慣がなく、すべての引き出しが「その他入れ」だったのである。笑

 

一緒に暮らすようになってからは、私が先回りして夫の必要な物を用意するようにしている。夫が探し物を始めると家の中が乱れるからだ。日常的に夫が使う物などは、夫の定位置の近くにしまっておき、引き出しを開ける・扉を開けるというワンアクションで取り出せるようにしてある。「引き出しを開けてケースに戻す」とか、「扉を開けて指定の場所に戻す」ということが夫にはできないからだ。

 

それでも物が多かった頃は大変だった。夫の世話に疲れることもしょっちゅうあった。でも今は物が少なくなったので、相変わらず夫の世話をやいてはいるものの、いざとなったら夫が自分でやっても家が乱れないという安心感がある。私が数日留守にしても、昔のように家中がひっくり返っているようなことはなくなった。

 

習慣を完全に変えることは難しいけれど、工夫して改善はできるのだと、この20年で学んだ。今は空き缶放置問題をどう工夫して改善してもらおうか、考えている。