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【サウンドオブミュージック】色褪せない名作映画

ふたり暮らし。【サウンドオブミュージック】色褪せない名作映画。

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童心に還る映画

先日、急に懐かしい映画が観たくなった。

 

子どもの頃、月1〜2くらいでTSUTAYAに行き、ビデオをレンタルして週末に家族で観る習慣があった。リピート好きな私は毎回のように「小公女」と「サウンドオブミュージック」をチョイスしていて、親に「またそれ観るの?」といつも呆れられていた。

 

親が飽きて一緒に観てくれなくなってからも、私は飽きずに一人で観ていた。何度観ても同じところで泣き、同じ場面で感動した。そのうちに父が知人のつてでビデオを手に入れてくれて、その後何年にも渡ってこの大好きな作品たちを観続けることができた。

 

大人になり、私は自分でDVDを買った。さすがに子どもの頃に観過ぎたせいで、せっかく買ったDVDも1回観たかどうかでしまいこんでいたのだけれど、ストレスのせいで童心に還りたくなったのか、久しぶりにサウンドオブミュージックを観たくなった。

 

名作は名作になる理由がある

うちの夫はミュージカル映画が好きなほうだが、なんとこれは初めて観たそうだ。作中に出てくる歌を聴いては、「え、これもこの作品から生まれた曲なんだ!?」「え、え、これも知ってる曲だ!」と新鮮に驚いていた。

 

「私のお気に入り」を聴いた夫が反射的に「そうだ、京都行こう」と言ったので笑ってしまった。笑
(今もこのCMやっているのかな?)

 

夫がいちいち感心しているのを見て、私も改めて「名作は名作になる理由があるんだなぁ」と思った。曲もストーリーも役者さんたちも、すべてがこれ以上ないほどに本当に素晴らしい映画である。

 

映像が古く、クリア過ぎないところがまたすごく良い。憂いを帯びた儚い表情や絵画のような景色がいっそう美しく見える。DVDの特典映像では撮影の裏話も聞くことができるのだが、ドローンもCGもない時代にこれほど壮大なスケールの作品を創り上げたのがすごい。

 

人間というのは、不便なほうが高い能力を発揮するのかもしれないな、と思う。

 

お気に入りのシーン

この映画でお気に入りのシーンといえば、あの言わずと知れた名曲「ドレミの歌」が生まれるシーンである。

 

サウンドオブミュージックといえばこの景色!というようなアルプスの山々を背に、マリアが子どもたちに歌の手解きをするシーンだ。監督の解説では、この美しい山々を画角に収めるために、ボール遊びをさせることを思いついたとのこと。
(アングルを上にしても不自然にならないから。)

 

子どもの頃はここばっかり繰り返し見ていた。わかりやすいし、楽しいし、マリアと子どもたちの絆が強くなっていく過程に感動するからだ。

 

でも大人になってからは、もうひとつ、お気に入りが増えた。

 

それが、修道院に逃げ帰ってきたマリアを修道院長が励ますシーン。老齢の修道院長が歌う「すべての山に登れ」は、いろいろな経験を積んできた大人だからこそ、心震わされるのだと思う。

 

視点の変化

じゃじゃ馬のおてんば娘だったマリアのコロコロ変わる表情が、映画の終盤には落ち着いた母親の顔に変化していることに気づけたのも、自分自身が大人になったからだ。

 

トラップ大佐の婚約者である男爵夫人の印象は、子どもの頃はただの嫌な女だった。でも大人になってから改めて観るとまったく違う印象を持つ。

 

嫌な女なんかでは全然ない。大佐の手前、隠しているけれど、じつはマリアと同じように面白い物好きな一面もあり、子どもは苦手だが打ち解けようと努力もしている。強気だけれど心根の優しい女性だ。

 

マリアに時々嫌味を言うのは、男爵夫人の立場を考えれば理解できる。むしろ大人になってから嫌なやつに降格したのは大佐のほうだ。夫人をお披露目するはずのパーティーで夫人を放置してマリアと踊るなんて、婚約者としての夫人の面目まるつぶれである。

 

大佐が夫人に別れを告げるシーンでは、ふたりが部屋の灯を背に夜のバルコニーに立っていることと、映像の古さも相まって、夫人の美しさが際立っている。子どもの頃には意地悪な顔に見えていた夫人の顔は、ちっとも意地悪そうではなく、恋する女性のせつない顔だった。

 

事実は小説より奇なり

映画の公開は1965年で、7人の子どもたちを演じた子役たちの中にはすでに他界している人もいるという。監督の話では子役たちとは撮影中だけでなくその後も交流が続き、みんなとても仲が良かったのだそう。

 

日本の映画やドラマではほぼ考えなくていい項目だけれど、海外の作品は両親の髪の色や瞳の色を鑑みて子役を選ばなければならない。不自然さなく家族に見せることに加え、歌えて演技もできて、年齢や身長の差も考慮しなくてはならないこの映画。子役選びがとても大変だったと監督は語っている。

 

ご存知の方も多いと思うが、サウンドオブミュージックは実話を基にしたミュージカルだ。話の内容は大幅に脚色されているものの、一家がオーストリアを亡命し、歌うことで生計を立てていたのは本当の話である。むしろ、実在のトラップ一家のほうが映画よりずっと苦労しており、奇跡のような出来事も多い。事実は小説よりも奇なりとはよく言ったものである。

 

トラップ一家について、より事実に基づいた形で知りたい方は「菩提樹」というドイツ映画がおすすめだ。こちらもミュージカル映画だけれど、ぐっと大人っぽい作品となっている。