ふたり暮らし

明日は明日の風が吹く

時代が変わったな~と思ったこと

ふたり暮らし。時代が変わったな~と思ったこと。

海外旅行は、「日本の良さを確認するために行くもの」

バレエ教師をしていた頃、教室には大人向けのクラスもあり、生徒さんの中にしょっちゅう海外旅行をしているおばさまがいた。

 

数か月に1回の頻度で行っていて、かなり裕福な方だったと思うのだけれど、それにしても頻繁なので、一度「すごく海外がお好きなんですね」と言ったことがある。すると返ってきたのが見出しのセリフだった。

 

「外国に行くとね、ああ日本はなんて恵まれた国なんだろうって必ず思うの。だから日本に帰ってくるとすごく幸せな気持ちになるのよ。その気持ちを味わいたいから、また外国に行くのかもしれない」

 

若造だった私は、「お金持ちのマダムがなんかよくわかんないこと言ってるな」くらいにしか思わなかったのだけれど、とても印象的な言葉だったので、その時のことはよく覚えている。

 

恵まれすぎていて気づいていないだけ

今ならマダムの言っていたことがわかる。

 

日本人として日本に生まれたというだけで、私たち日本人は超超恵まれている。そのことが当たり前すぎて感謝の気持ちを忘れがちだけれど、ネットの発達で、最近はそのことに気づかせてくれる人の声も届きやすくなり、日本人として生まれたことに感謝している人もどんどん増えている印象だ。
(もちろん私もそのひとりだ。)

 

マダムは、年代的にも「物質的な豊かさ=幸福の証」という価値観オンリーの中で育ってきたのだろうし、実際、裕福で恵まれた生活をしていた。でも、日常の中で自分の幸せに気づける瞬間が少なかったのだろう。まさに青い鳥を求めて海外に出かけ、帰宅して青い鳥を見つけることで、やっと自分の置かれている境遇に感謝できるという状態だったのだと思う。

 

なんと贅沢な思考なんだ…!と思ってしまうけれど、そんなものかもしれない。育った時代も環境も、令和とは違うのだ。

 

今の子の感覚は進んでいる

職場の大学生が、最近ヨーロッパに旅行に行ってきたという。「どうだった?」と感想を求めたところ、うーん…という表情で、

 

「建物とかは素敵だし、どこを撮っても映えるからすごくいいんだけど、トイレは汚いし、お金払っても汚いし、地下鉄はくさいし汚いし、スリがこわくて油断できないし、時刻表意味ないし、食べ物は当たりはずれでかいし、店員は親切じゃないし…。日本に帰ってきてトイレに入ったら安心して涙出ちゃった。海外は旅行で行くくらいでいい。日本最高」

 

と、よかったことよりも愚痴のほうが多いという予想外の展開になった。笑

 

なんか、私が10代だった頃より、今の若い子たちのほうが感覚が進んでいるというか、大人だなぁと感じることが多い。こんなふうに「日本がいい。日本が好き!」と堂々と言うような若者は、私の時代にはあまりいなかったような気がする。

 

みんなと言うと語弊があるけれど、多くの人が外国人に憧れ、海外で暮らすことをステータスのように思っていたと思う。今のように、「昔ながらの日本の暮らしが素敵」だと注目されることはとても少なかった。

 

学生たちの就活の話を聞いていても、お給料の高さより、休日の多さ、残業やノルマの無さなどを断然重視していて、やはりここでも時代の差を感じる。これは女の子だけでなく男の子も同じだ。

 

「お給料はそこそこでいいから、定時に上がれる職場がいい」と口を揃えて言う。私の世代やそれより上の世代とは違う感覚だ。今の40代以降は、就活といえば少しでもお給料のいい仕事につくのが最大の希望だったし、お給料が高い=仕事がキツイということもわかった上で就活していた。

 

スピ的な話では、年齢が下に行くほど魂のレベルは高い傾向にあるのだという。だから世界はこの先もどんどんよくなっていくはずだ、と私の好きなスピリチュアリストは言っている。

 

「魂レベルが低いと争いを好む。競争して勝ち進んで富を独占したいと願う。けれど、今の子どもたちが大人になる頃には、そんな古い価値観は少数になっているだろう。富や物は分け合うものであり、所有するものではなくなる。そんな時代はもうすぐそこまで来ているのだ」

 

にわかには信じがたい話だけれど、そうなったらとても素敵だなと思う。ベーシックインカムの話が時々取り沙汰されているが、まさにそれこそ新しい時代のモデルになるような気がしている。

 

正反対の価値観が共存している現代

一方で、近年はパパ活や夜職に足を踏み入れる女の子たちもすごく多いという。インフルエンサーの影響なのか、それとも単に不景気だからなのかわからないけれど、娘を持つ親御さんにとっては心配な時代だろうなと思う。

 

大金や物質的豊かさを求める価値観と、ミニマリストのような心の豊かさを求める価値観。正反対の価値観がちょうど半々くらいの時代なのかなと感じる。新しい時代への過渡期なのかもしれない。

 

早くこの山を乗り越えて、搾取し搾取される世の中から、分け合い与え合う世の中に変わっていきますように。