ふたり暮らし

明日は明日の風が吹く

厄介なもらいもの

ふたり暮らし。厄介なもらいもの。
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どんどんたまっていく試作品

先日実家に行ったら、見慣れないお茶碗やお皿がいくつもあった。母に「これどうしたの?」と訊いたら、「職場の人に貰った」と。趣味で陶芸を始めた人がいて、しょっちゅう試作品をくれるそうだ。それにしてもたくさんある。素人目にはどれも立派でちゃんとした器ばかりだけれど、ただでさえ食器の多い家なのに、こんなに貰ってどうするんだろうか。

 

「次は断ったら?」と言うと、「なんて言って?」と訊かれた。「そんなにたくさん使わないとか、置く場所がないとか」。「前にそう言ったら、毎日違う皿を使うのもいいもんだとか、一軒家にふたりしか住んでないんだから置く場所なんていくらでもあるだろって言われたの」。

 

昔、お菓子作りを始めたという知人が、「初めて作ったんだけどどうぞ♡」と言って、会うたびにゴムのような食感のスポンジケーキや固くて切れないロールケーキをくれたりして大迷惑を被ったことがあるが、あれの方がマシかもしれない。陶芸品は簡単に処分できない。

 

「葉月も持って行って」と何枚かのお皿を押し付けられた。見た目は素敵だけれど正直いらない。だって、あまり使い道がなさそうな中途半端な大きさなのだ。でもこのまま実家に残しておいても将来的に処分するのはどうせ私なので同じことだ。とりあえず持ち帰ることにした。お茶碗を探し中だとうっかり言わなくて本当によかったと思った。笑

asukaze827.hatenablog.com

 

母は困った顔で言う。「欲しいなんて1回も言ったことないのよ?でも、こんなの作ったんだって見せられたら『素敵ですね』って言うしかないじゃない。そしたらくれるのよ。断っても『遠慮するな』って。みんな困ってるんだから」

 

まるでいつもの母と同じで笑った。母も、「これ買ったの。どう?」と訊いてきて、私が「いいね。素敵だね」なんて言おうもんなら、次に会った時に同じものをくれる人だ。「え、いらない」と言うと「この前、素敵だねって言ってたじゃないの」と怒る。なので最近は、「私の好みじゃないけど、素敵だね」と言うようにしている。それはそれで「もっと素直に褒められないの?」と嫌味を言われてカチンとくるが。

 

贈り物大好きな母も、やっともらう側の気持ちがわかったようだ。笑

 

その陶芸おじさんは、母や職場の人たちに「メルカリに出したら?」と言われると、「まだ売れるレベルじゃない。もっと上手くなったら展覧会に出品して、そしたら売ることも考える」と答えたそう。他の人には見分けがつかなくても、自分の作品というのはすぐわかるもの。だから、もらった人たちが勝手にメルカリに出して、それがおじさんの目につくと絶対バレると母は言う。

 

陶芸品って粉々に砕いたら土に還るのだろうか?それとも不燃ごみに出すしかないのだろうか?溶かして再利用とかできないのだろうか?ケーキを捨てるのも心が痛んだけれど、まだ捨てられるだけマシだ。いらない陶芸品は一体どうしたらいいのだろう。

 

手作り品の処分

陶芸に限らず、趣味で創作をする人は大勢いる。失敗作もたくさんできあがると思うのだけれど、それらはみんなどうしているのだろうか?

 

母は昔、趣味で紙粘土のアート作品を作っていたので訊いてみた。「失敗した作品てどうしてた?」。そしたら母はこう言った。「失敗なんか一度もしなかったわよ。彫刻とか粘土は大の得意分野だもの」。
は美大出身)

 

あっそう…

 

父は趣味でイラストを描くが、こちらはいくら失敗しても紙ゴミに出せばいいだけなので処分には困らない。陶芸などの立体的なクラフト品は、試作品の処分の仕方までちゃんと考えておかなければいけないと思う。持て余して他人に押し付けるのはどうなのか。

 

人にものをあげるのって難しい

母は大の贈り物好きだが、これまでに母からもらって嬉しかったものはあまりない。笑
(現金が1番嬉しい。)

 

私は娘だから「え、いらない」「好みじゃない」とはっきり言えるけれど、それでも時には親孝行のつもりで受け取り、こっそり自宅で処分している。私がもらわなければ実家の肥やしになるか、ほかの誰かに押し付けられるだけだからだ。はっきり断りにくいよその誰かは、母からの贈り物を内心迷惑に思っているんじゃないかと心配である。

 

陶芸おじさんからもらったお皿を、母が「ラッピングして、今度◯◯さんに会うからあげよう」と言っていたので一応止めた。食器には好みがあるし、自分だってもらって困ってるのに、よその人も困らせるかもしれないとは考えないのだろうか。もちろん喜ばれる可能性もあるけれど。

 

毎日使うものだからこそ、自分で選びたい

実家からの帰り道、アウトレットに寄った。そこのFrancfrancで私はお茶碗を見つけることができた。以前割ってしまったものより見た目が好みだ。この記事の画像はその新しいお茶碗。希望通り、ラーメンも食べられる大きめサイズだ。Francfrancはド派手なキラキラしたものが多いけれど、たまにこういうシックなものもあるので、品揃えの豊富な大型店舗を見かけたらチェックするようにしている。

 

間に合わせで適当なものを買わなくてよかった。今は実家から持ち帰ったお皿の使い道に悩んでいる。