ふたり暮らし

明日は明日の風が吹く

ふたりきりのお正月

ふたり暮らし。ふたりきりのお正月。

晦日〜元日

お正月、私たち夫婦は毎年ふたりきりで過ごす。
結婚して数年間は、大晦日から元日の夜まで私の実家で過ごしていたのだけれど、今はもう、それは遠い昔のことのように感じる。

 

晦日は夫とゆっくりごはんを食べて、お酒を飲む。ここ何年かはテレビもつけず、ふたりでおしゃべりをしているうちに年が明けてしまう。でもゆく年くる年だけはなんとなく観たくて、毎年日付が変わる頃に慌ててテレビをつけていた。

 

今年は夕方から飲み始めて、食事が一段落したところで散歩に出かけた。今年は大晦日とは思えないほど暖かく、吐く息も白くない。お散歩するには快適な気温だった。途中、近所の天満宮に寄って2023年の御礼をした。私たちは初詣に行かないので、お散歩の途中で御礼を言えてよかった。

 

2時間ほど歩いてから帰宅し、今年はジルベスターコンサートをテレビで観ながら年越しをした。その後は例年通りにおもしろ荘を。普段テレビをほぼ見ないので、最近の芸人さんとかまったくわからないのだけれど、元旦のおもしろ荘で「この人面白いな!」と思った人が、のちのちネットニュースになっていたりするとちょっと嬉しい。「ああ、あの人がんばってるんだなぁ」と親戚のおばちゃんみたいな気持ちになる。

 

おもしろ荘が終わったら、寝る。私は2日からシフトに入っているので、お正月気分を味わえるのは元日だけ。なので元旦はあんまり寝坊せず、一日を心ゆくまで長〜く楽しむようにしている。

 

年賀状

今年は、年賀状を出すのをやめて4年目のお正月だ。
バレエ教師をしていた頃は辞めるに辞められなかった年賀状。生徒さんたちからもらうのは嬉しかったけれど、正直な気持ちをいえばとても負担だった。それが今では一枚も来ない。ものすごく心が軽やかだ。

 

2年前までは、生徒さんから来たら返そうと思ってコンビニでいくつか買っておいたけれど、教室をやめてもうずいぶん経つので、さすがに来なくなった。そして、生徒さん以外から来た年賀状は、古い友人のも親戚のも保護者の方からのもすべて無視した。「年賀状辞めます」とも何とも知らせず、一方的に無視したのである。大人としてどうなんだと思うけれど、年賀状だけのお付き合いを続けたところで、お互いにいいことなんて無い。一度無視したら、翌年はもう来なかった。きっと相手も負担だったのだろう。
(付き合いを続けたい人とは別の手段で連絡をとっている。)

 

夫のほうは、結婚前から年賀状を出す習慣がなかった。夫の親友からは毎年律儀に送られてくるのに、夫は出さない。夫いわく、「あいつは自分が出したいから出してるんだよ。こっちが返事を書かなくてもこれからも毎年送ってくるよ」とのこと。世の中にはいろんな友情があるものだ。

 

たった1日だけのお正月休み

飲食で働くようになってから、私にとってのお正月はたった1日だけになった。働くお店によっては元日から営業しているけれど、この日だけは「主婦」という免罪符を使って休むことにしている。それ以降は成人式の3連休が終わるまでシフトもきついし、お店はとってもとっても忙しい。のんびりお正月気分でいたらとても乗り越えられない1週間である。

 

でも私はこの1週間がけっこう好きだ。お店が忙しすぎるせいか、なんか変にアドレナリンが出て、「やってやるぞ!」と気持ちが昂る。この高揚感にも似た気持ちが、バレエの発表会を思い出させたりもする。

 

おせちも食べない、お雑煮も食べない、年賀状も来ない、初詣にも行かない、帰省もしない。ないない尽くしの我が家のお正月だけれど、それでもお正月は特別感があって楽しい。