ふたり暮らし

明日は明日の風が吹く

厄介なお客さん

ふたり暮らし。厄介なお客さん。

ゆっくり飲み食いしたのは自分なのにレジで急かしてくる人

私が働いている飲食店はお客様の年齢層が高めである。遠方からわざわざ来てくださるお客様も多く、そのせいかお食事後はたいていの人がやたらと急いでいる。駐車料金を気にされている方も多い。

 

個室には「お会計はお席で承ります」と札を置いてあるのに、大きな荷物を持ってレジに直接来てしまい、こちらに「急いで!」と言う割に本人は財布を探すのに手間取っている。

 

急ぐとお互いろくなことにならない。店員は急かされると焦ってしまい凡ミスをやらかすし、お客様はレジに忘れ物をしていく。レジからは見えない位置にお財布や荷物を忘れていき、店員が気づくのが遅れるパターンも非常に多い

 

ポイントやクーポンを自力で使いこなせない人

ここの駅には3つのデパートが直結しており、各デパートがせっせとクレジットカードの入会キャンペーンをしているのだろう。すべてのクレジットカードやポイントカードを所有している方もザラにいる。きっと入会特典につられて、誘われるがままに次々と作っているのだと思う。

 

これを提示すると10%オフだとか、これとこれのポイントが付くとか使えるとか、これで支払うとポイント還元率がどうのこうのとか、正直こっちも全部の仕組みは覚えられない。しかもうちの店独自のポイントとクーポンもあれば、母体が同じ別の飲食店のポイントとクーポンまであるのだ。ぱんぱんに膨らんだお財布の中からカードやクーポンをぜーんぶ出して、「1番お得になるのはどの組み合わせかしら?」と訊かれることもあって非常に面倒。
(一生懸命考えるけども。)

 

コース内容をカスタマイズしようとする人

お客様の年齢層が高いと、予約もネットより電話とレジでの直接予約が圧倒的に多い。この予約がまた非常〜に面倒なことになりがちだ。

 

うちの店のコース料理は5種類あって、金額がちがう。当然高いコースになればなるほど品数が多く、食材も高級になっていくのだけれど、お客様の中には各コースをシャッフルして自分好みの内容にカスタマイズしようとしてくる人がいる。

 

アレルギーにはできる範囲で対応することになっているが、該当の料理をどの食材でどんなふうに差し替えるかは、当然店側(シェフ)が原価などを鑑みて決めることであり、お客様が食材を指定できるわけではない。でも、アレルギーと言えばなんでも自分の思い通りにできると思っている人もいて、レジや電話でもめるのだ。

 

「こちらのコースの◯◯をね、予約したこのコースに入れていただける?」

「追加のご注文ということでしょうか?」

「ううんそうじゃなくて!このコースの◯◯と差し替えてほしいのよ」

「…ではシェフに確認してまいりますのでお待ちください」

「できるはずなのよ。いつもそうしてもらってるから!私◯◯アレルギーじゃない?」
(いや、知らんし。)

 

こういう時、とっさに「かしこまりました」と言ってはいけないと、店長からキツめに指導されている。そしてお客様のおっしゃる「いつも」は決して「いつもではない」とも。笑

 

私は裏に行って確認したふりをして、再びお客様のところへ戻り、そして断る。アレルギーには対応するけれど、お客様が指定した料理との差し替えはできませんよと。

 

ところが、そういうことを言ってくるお客様は、それくらいでは引かないことが多い。後ろに人が並んでいようともまったく意に返さず、レジで地蔵のように動かなくなるのだ。

 

こうなると店長の出番である。呼びにいくとまたかよやれやれ…という顔をされてこちらも若干イラつくが、仕方ない。どうにかして地蔵をどかさないと他のお客様が帰れないのだから。

 

予約して割り込もうとする人

土日のピーク時、店の外には長蛇の列ができている。そんな状態の時に電話をかけてきて、「今から行くので予約したい」というお客様。それはもう予約じゃなくてただの割り込みだ。できるわけない。

 

でもこういうお客様は意外と多い。平日ならまだしも(平日でもランチは長蛇の列のところが多いはず)、土日のピーク時にそんな予約が取れるお店なんてあるのだろうか?

 

中にはわざわざ来店して、長蛇の列を見ているにも関わらず、「ちょっとお買い物してすぐ戻ってくるから、お席とっといて」と言ってくる人もいる。
(いやいやいやいや…え、本気?笑)

 

お耳の遠いお客様、すんごいせっかちなお客様、思い込みの激しいお客様、店側のルールを変えようとするお客様…ピーク時のレジはまさにカオスである。

 

滑舌の悪すぎる人

杖をついたおじいちゃんが来店し、席についてすぐに「足腰」とおっしゃるので、「足腰が悪いのか。向こうのソファ席に移りたいのかな?」と思い、「あちらの席に移動しますか?」と訊いて移動を促した。

 

おじいちゃんは「?」という顔をしながらも促されるままに席を移動し、そして移動した先でもまた「足腰」と言う。今度は私が「?」という顔をする番である。

 

勘の悪い私はそのあとも何度か「足腰」「足腰」と言わせてしまい、とうとう「あーーーしこーーしぃーー!!!怒怒怒」とブチ切れられて初めて、「アイスコーヒーかぁ!」と気づいた。

 

まだコロナ前だったのでお互いマスクもしておらず、なのにここまで聞き取れなかったのは初めてだった。そんなキレなくても(泣)…とは思ったものの、まだうまくしゃべれず、言いたいことが親に伝わらない子どもが癇癪を起こすのと同じだと思い直すことにした。

 

耳が遠いのに電話してくる人

クソ忙しい時間帯にしつこく電話が鳴っていた。手が空かなかったのでしばらく無視していたけれど、何度も何度もかかってくる(たぶん同じ人)ので仕方なく出たら、案の定最初っからキレ散らかして文句を言っていた。

 

それ自体はよくあることなので、感情を無にして取り敢えず謝る。予想通り予約の電話だったのだけれど、一方的に大声でまくしたてるだけでこちらの質問にはまったく答えず、ガチャ切りされそうになったため、慌てて引き止めた。たとえ常連さんであっても、お名前と日時を復唱しなければならないし、その日その席が空いていなければそのことを伝えなければならない。

 

ところがその方、こちらの言うことには「ああ!?」「何!?」と言うばかりで一向に会話にならない。こちらも結構大きい声で伝えているのにも関わらずだ。ああ耳が遠いんだな、本人は気づいてないのかな…と思っていたら、さらにおブチ切れあそばしながら、「耳が遠いんだよ!!何言ってるかわからん!!!」と…

 

自覚があるのに、よりによって電話で予約取ろうとするのがおかしいことにまず気づいてほしい。

 

話のネタにしてやる!と前向きに考えてストレスを回避する

接客業の愚痴をあげ出すとキリがないのでこのへんにしておく。
今のお店は安い店じゃないので、これでも客層はいいほうなのだ。掛け持ちでコンビニのバイトをしている子は「コンビニに比べれば天国」だとしょっちゅう言っている。笑

 

接客業をしていると、ストレスも非常に多いが珍客エピソードには事欠かない。家で夫に話すと大爆笑してくれるので、レジで無理難題を言われても「また話のネタができるぞ」と思うとストレスも軽減される。
(そう思わなきゃやってられない。)