ふたり暮らし

明日は明日の風が吹く

ありがとうを伝えたい

ふたり暮らし。ありがとうを伝えたい。

久しぶりのバレエ公演

クリスマスに、元教え子の最後のバレエ公演に行ってきた。音大のバレエコースに通っている子だ。定期公演はキャンパス内にある専用劇場で、音楽科の生徒さんたちによるオーケストラが入るという、なんとも贅沢な環境で毎年行われる。この学校には元教え子がふたり通っていたので、私にとってはこれが5回目の、そしておそらく最後の公演となった。

 

久しぶりに聴く生の演奏、すっごく良かった。感動した。私は音楽には詳しく無いので、演奏のレベルがどうとか全然わからないのだけれど、素人を感動させるには十分過ぎるくらい素晴らしい演奏だったと思う。

 

バレエのほうは…毎度のことながら、正直言いたいことは山ほどあった。笑

 

もしここにゲネプロ用のマイクがあったら、客席から口出さずにはいられないだろうと思うくらい、学生さんたちの踊りは未熟だった。国内国外の熾烈なコンクール(という名の戦場)をかいくぐってきた子と違い、ただぬくぬくと好きなバレエをやってきたお嬢様が多い学校なので仕方ない。私の教え子もそのひとりだ。でも、彼女なりに悩んで泣いて一生懸命努力してきた姿も見てきたので、心から「よくがんばったね!」と言ってあげたい。
(学生さんの中には本当に上手な子ももちろんいる。)

 

大学ではバレエに関する座学が充実しているので、どちらかというとそこで得るものが大きいように思う。特にバレエを教える仕事をしようと思ったらバレエ解剖学の知識が必要になるので、プロのダンサーではなく、最初から指導者を目指すなら大学はいい選択だったといえる。

 

この教え子ちゃんも無事に指導者として就職が決まり、ホッとしている。これでこの先もずっとバレエに関わっていくことができる。本人はもちろんのこと、お母様も大変喜んでいた。

 

ありがとう

教え子ちゃん本人はもちろんだけれど、私がもっと心から労いたいのがご両親である。

 

バレエは非常にお金のかかる習い事だ。多くのご家庭が、中学受験と高校受験で子どもにバレエを諦めさせる。バレエじゃ食べていけないからと。とってもよくわかる。私ですらそう思って偉そうに生徒を説き伏せようとしたこともあるぐらいだ。

 

でも、ここまで娘を信じてバレエにお金も時間も手間もかけ続けてくれた親御さんに、私は心からお礼を言いたい。今の私がそうであるように、この教え子ちゃんも、ご両親に心から感謝する日が絶対にくるだろう。

 

 

「大好きなバレエを続ける選択をしてよかったです。最初に葉月先生に指導していただけたことが幸せでした」

 

教え子ちゃんからこんな言葉を貰って涙腺が崩壊した。自分が誰かの人生の道しるべになれたことがとてもうれしい。私のやってきたことは間違ってなかったんだと思えた瞬間だった。

 

こちらこそ本当にありがとう。

 

教え子ちゃんにも、ご両親にも、私の両親にも、私のバレエに関わってくれたすべての人に、心からのありがとうを伝えたい。