ふたり暮らし

明日は明日の風が吹く

〇〇カバー症候群

ふたり暮らし。〇〇カバー症候群。

夫カバー症候群

最近、Twitterで「夫カバー症候群」という言葉を知った。

 

どういうものかというと、たとえばTwitterなどの匿名掲示板で、「夫にあんなこと言われた」「こんなことされた」と愚痴を投稿したとする。

 

すると「ありえない!ひどい」「旦那さん最低」などと投稿主の夫を責めるようなコメントがつく。それに対し、何故か夫の愚痴を言っていた投稿主が急に手のひらを返して、「うちの夫はこうこうこうで素晴らしい人です!」「普段はおだやかで優しい人です!」と夫のカバーをし始めるという現象のことだそうだ。
(この現象は、夫の部分を息子や娘に替えてもいいらしい。)

 

初めてこの言葉を知った時には笑った。うまいこと言う人がいるんだなぁと。笑

 

女性の愚痴には共感しておけばいい、とよく言われるけれど、どうもそんなに単純なことではないようだ。

 

上記の例の場合、共感するべき部分は、投稿主の状況のほうで、決して投稿主の気持ちのほうではないのである。

 

投稿主は、「わかります~!うちの旦那もああでこうで…」「うちの旦那なんかもっとひどくて…」というような、同じ(またはそれより酷い)状況の人のコメントを見てお互いの傷を舐め合いたいだけであり、一緒になって夫の悪口に共感する人はノーセンキューなのだ。

 

でもこんな複雑な心境は、同じ目に合ったひとでなければ理解できない。私は夫や家族の愚痴を他人に言ったことがないので、もし友達が旦那さんのこんな愚痴を言ってきたら「それはひどいね…」と友達の気持ちのほうに共感してしまいそうだと思った。

 

 

人は本当のことを言われるとキレる

じつは私も若い頃、似たような状況で相手の地雷を踏んだことがある。

 

その相手はバレエ教室の保護者で、立ち話の際に「うちの娘はほんとにぼんやりしてて…!いつもご迷惑おかけしてないですか?」と訊かれたので、世間知らずだった私は馬鹿正直に「そうですねぇ… 忘れ物も多いですし、話を聞いてないことも多いですねぇ」と答えてしまったのだ。
(バカバカバカ…!)

 

すると、それまでにこやかだったお母様は一瞬で不機嫌な様子になり、そっけなく挨拶をして帰って行った。

 

そのやり取りを見ていた先輩教師からは、「ああいう時は、いえいえそんなことないですよ~!おっとりしたところは◯◯ちゃんの長所ですから、ってポジティブな言い方をしてあげて。親御さんの自虐を肯定しちゃダメ」と教えてもらった。

 

他人から耳の痛いことを言われると、人は誰でも嫌な気持ちになる。とくにそれが自分自身のことではなく、子どものことになると親は冷静な気持ちではいられないのだろう。ありがたいことに、バレエ教室ではそういうこともたくさん学ぶことができた。

 

 

「あなたって天然だよね」と言うと、自称天然の人は「え~!そうかなぁ?よく言われるんだよね~」と言って喜び、本物の天然は「天然って言わないで。怒」と不機嫌になる。

 

人間というのは複雑で面白い。