ふたり暮らし

明日は明日の風が吹く

優先順位を決めて省エネに生きる

ふたり暮らし。優先順位を決めて省エネに生きる。

人生は選択の連続である

「人生は選択の連続である」。シェイクスピアのこの言葉。自己啓発界隈では非常によく聞く言葉だ。考えてみればごくごく当たり前のことなのに、なぜこの言葉はこんなふうに自己啓発の世界で崇められているのだろう?

 

自己啓発界隈の人たちは、口をそろえて「この仕事をはじめるまで、将来が不安だった。でも今は未来が楽しみでしかたない」というようなことを言う。そしてこう続ける。

 

「あなたは自分の将来に不安はありませんか?一緒に不安のない未来を作りませんか?あなたの今の選択に、未来がかかっているんです!」

 

あの人たちは、不安を煽るのが仕事なのかもしれない。人に経済や健康の不安を植え付け、煽る。そして「だから私たちの仲間になりましょう。一緒に不安のない未来を作りましょう!」と囲い込もうとする。

 

彼らはテレビなどのマスメディアの情報は嘘ばっかりだと言いながら、やっていることはそれらと同じな気がする。
(テレビの情報が嘘ばっかりというのには激しく同意するけれども。)

 

 

選択するのではなく、優先順位を考える

「人生は選択の連続だ」と考えるよりも、優先順位を考えるほうが私には合っている。

 

壺の中に、大きな石から始まり最後は水を入れていくという有名なたとえがある。あれは「人生の優先順位を見誤るな」という意味なのだけれど、つまり、最初に入れる大きな石が自分の人生でもっとも大切なもの、ということになる。

 

私にとってもっとも大切なものは、「自由な時間」そして「心のゆとり」だ。それは「今がむしゃらにがんばって、将来ゆとりのある自由な老後を過ごそう」ということではなく、「今もこの先もずっと、時間と心のゆとりを最優先していたい」ということだ。
(老後に楽しめることは、今も楽しめるはずだから。)

 

自己啓発界隈の人たちは、経済的豊かさを得ることが一番の方法だと熱弁する。それはそうだとたしかに思う。若いうちに努力し、将来ゆとりのある老後を過ごすのか理想の人生だと、私も様々なところで見聞きしてきた。

 

でも私はすでに今、ゆとりのある生活をしている(経済的なという意味ではない)。そしてこの先もこのゆとりを死守するために、それ以外のものはどんどん削っていこうと思っている。

 

優先順位を決めると省エネになる

大前提として、私が自分の人生で最優先したいものは夫(夫との生活)だ。その上でもっとも必要なもの、大切にしているものが自由な時間と心のゆとりである。

 

自分が優先したいことを一番に考えて暮らしていると、生活は極めてシンプルで省エネになる。

・気が乗らない人付き合い
・無駄な外出
・無駄な出費
・悩みや考え事
・ただの物欲

これらは私がここ数年で徐々に手放していったものたちだ。

 

私は自由な時間と心のゆとりを優先して暮らしているけれど、優先するものは人それぞれ。ただ全員に共通することは、優先順位を決め、それ以外をそぎ落としていくと、枠内の項目は誰もが手放していくはずだということ。

 

自己啓発に中途半端にはまると、枠内の項目は手放せないどころか、どんどん重くのしかかってくる。未来のためにはそういうのも厭わないというならいいけれど、私には無理だ。
(そして自己啓発界隈に本格的に参戦すると、人付き合い・外出・出費・考えるべきこと・物欲が増えるようになっている。)

 

いつも精力的で、自分の夢や望みを叶えるためのエネルギーに満ち溢れた人はすごいなぁと思う。でも自分がそうなりたいか?と訊かれたら答えはNOだし、もし夫がそういうタイプの人だったら、結婚しなかったと思う。そういうタイプの人と私とでは、お互いに悪影響を与えあうだけだから。

 

 

私は省エネな生き方が性に合っているのだ。これは持って生まれた性質だし、努力で変えられることでもない。
(そもそもそんな努力はしたくない。)

 

中途半端に自己啓発に足をつっこんだ経験があるからこそ、今の省エネな生き方により一層幸せを感じる。

 

そして自分が本当はどういう人生を望んでいるのかを知ることができたことは、とてもよかった。自己啓発に片足を突っ込む選択をした過去の自分にグッジョブ!と言いたい。