ふたり暮らし

明日は明日の風が吹く

制服の思い出

ふたり暮らし。制服の思い出。

カジュアルが似合わないと人権がなかった学生時代

私は昔から、カジュアルな服が笑えるくらい似合わない。学生時代、体操服やジャージが似合わな過ぎて、「なんか変」といつも思っていた。

 

私の学生時代は、私服にしても制服の着こなしにしても、「かっちり」「きちんと」がダサいというふうに認定されてしまう変な風潮があった。高校の制服はブレザーだったのだけれど、ブレザーの下にパーカーを着てフードを出す、というのが流行っていたし、ブラウスのボタンは一番上まで留めず、袖口も開けたまま。ネクタイはゆるっゆるで結ぶのが基本だった。そして男子は腰パン、女子はミニスカートだ。

 

私は、本音ではきちんとかっちりした着こなしが心地よく、ブラウスのボタンも一番上まで留めてネクタイもきっちりきれいに結びたい派だった。でも、周囲から浮かないように着崩していた。親は嫌がっていたけれど、みんなと同じようにして浮かないようにすることは、学生生活においてとても重要なことなのだ。

 

ある日、わりと仲良くしていたクラスメイトが、トイレに行くから荷物持ってて、とポーターのナイロンリュックを私に預けた。私はそれを肩にかけてその子を待っていたのだけれど、その子はトイレから戻るなり、私の姿を見て笑い出したのだ。

 

「え、ポーターまじで似合わないんだけど。笑」
(今の私なら言い返す。「まずは持っててくれてありがとうだよね?」と。)

 

あの頃は、通学バッグにポーターのナイロンバッグ(黒地に裏がオレンジ色のやつ)を使っている子が「イケてる」認識だった。今でいうノースフェイスのような立ち位置だろうか。今時の高校生事情はよく知らないけれど。笑

 

今の私は、「ポーターが似合わない」と言われてもなんとも思わない。「まあ、そうだろうな…」と思うだけだ。でもあの頃は、それを言われてすっごく嫌な気持ちになった。言ってきたのがもともとあまり好きではなかったクラスメイトだったので、それも原因だったのかもしれないけれど、とにかく「カジュアルが似合わない」ということに、人権がないくらいの勢いで引け目を感じることになってしまった。

 

今の高校生は?

あの頃にくらべて、今の高校生の子達は清楚でとても可愛いなと思う。髪も染めていない子が多いし、スカート丈は短すぎず、メイクもナチュラル。おまけにお店ではとっても静かだ。
(私たちの世代に比べれば。)

 

余計なお世話だけれど、不満があるとすればひとつだけ。くるぶし丈の白いソックスだけは私の感覚では受け入れられない。(紺のハイソではだめなんですか。)

 

最近はまたミニスカートにルーズソックスというファッションが復活しているようで、街中で見る女の子たちの私服はとっても可愛い。制服にあのソックスを合わせていた時代があったなんて、今の子達の目から見たらどう思われるのだろう。
(私の感覚だと、制服のミニスカートにルーズソックスは最高に可愛いのだけれど。)

 

それにしても、今の高校生は「きちんと」「かっちり」がそれほど迫害されていないようで羨ましい。