ふたり暮らし

明日は明日の風が吹く

ゲームとの付き合い方から見るミニマリズム

ふたり暮らし。ゲームとの付き合い方から見るミニマリズム。

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ドラクエ10 オンライン

昨日のフリーレンの記事を書いていて思い出したけれど、2年ほど前まで、私はドラクエ10オンラインにハマっていた。3ds時代のフレンドの誘いで始めたのだけれど、最初の頃はずっとその誘いを断り続けていた。自分にとって危険な類のゲームだとわかっていたからだ。

 

私が初めてMMORPG(協力型のオンラインRPG)をプレイしたのは、3dsのファンタジーライフだった。もともととびだせどうぶつの森をやっていて、そこで仲良くなった人に誘われて遊んでいたのだけれど、そこでMMOがものすごく時間泥棒であり、自分にはそれを自制できる強い心がないと学習したのである。

 

やがてハードはSwitchへと移って行き、今度はあつまれどうぶつの森を一緒にプレイしている時、ありがたいことにフレンドさんたちは再び熱心にドラクエに誘ってくれた。あつ森のほうもやることがなくなってきていたので、「じゃ、ちょっとやってみるか」と気軽な気持ちで始めてしまったのがよくなかった。

 

私の生活はドラクエ一色になった。

 

ああいうゲームは時間がいくらあっても足りないものだ。どうぶつの森ですら睡眠時間を削ってやるほどだったのに、MMOに必要な時間はそれとは比べものにならない。わが家は夫もMMOをやる人なため、止める人が誰もいない生活はそれはそれは荒れていった。笑

 

ある日、「このままではまずい…」と我に返り、月額の自動更新を止めた。それでもその時はまだ、「またいつか復帰するかも」と未練がましく思っていて、毎日アプリでログインしては、アプリ内でできることをせっせとやっていた。

 

完全に卒業できたのはここ最近のことである。

 

コンテンツが多すぎる

夫がやっているゲームも横から見ていて同じように感じるが、この手のゲームはとにかくコンテンツが豊富だ。ストーリーを追いつつ、農作業して料理して加工してバトルして、さらにクエストという名のお使いタスクが目白押し。働いていたり子育てしていたりしたらまず満足にプレイできないだろう。

 

あれもこれも手を出さなければいいのに、手を出さざるを得ない作りになっているのがまた憎らしい。ひとつの職でひとつのバトルだけを極めようと思っていても、みんなとエンドコンテンツに参加するためには、攻略動画を見て事前に勉強し、せっせとゲーム内マネーを貯めていい装備を揃えなければならない。

 

私はもっぱら固定のフレンドさんと遊んでいたけれど、それでも複数の職を扱えないと、パーティのバランスが取れない時がある。結局、前衛も後衛もある程度まんべんなく使えるように育てる必要があった。

 

ドラ10はドラクエのくせにバトルでお金を稼げなかったため、せっせと品物を作って売ったり素材を集めて売ったりしなければならず、それだけで気が遠くなるほどの時間がかかる。

 

毎日必死でプレイしているというのに、レベル上限の解放や、ストーリーの追加、新ボスや新職の実装、それに伴うゲームバランスの修正… 追いつけるわけがない。ひとりで黙々とやるゲームと違い、MMOはみんなで遊ぶもの。みんなに迷惑をかけないようにしないと!というプレッシャーもあって、毎日プレイしてタスクをこなすことが、ほとんど義務のように感じていた。

 

ゲームは娯楽のはずなのに本末転倒である。

 

物や人との付き合い方が上手な夫と下手くそな私

夫は働きながらゲームをやっているが、私のようにタスクに追われていない。たぶん取捨選択が上手なのだろう。私のように毎日あれもこれもやろうとせず、やりたいことを絞って時間を上手く使っているようだ。他の人の目線を気にして必要以上にがんばっていた私と反対に、夫のプレイスタイルはまさに「マイペース」。こういう人はオンラインゲームに向いている。

 

お互いのプレイスタイルの差は、そのまま持ち物に対する執着心の差を表しているようにも思う。

 

夫はひとり暮らししていた時から持ち物が少ない人だった。持ち物だけでなく、昔から他人の目線はあまり気にせず、何事においても自分のスタイルを貫くタイプだ。
(こういうところが母親ゆずりだなぁと羨ましく思う。)

 

一方で私は超マキシマリストだったという過去を持ち、今でもまだまだ他人の態度に一喜一憂させられがち。何度かの断捨離でだいぶ改善されたとはいえ、今でも油断すると消耗品のストックなどが溜まってしまう。ゲームの中でさえ、ポッケや倉庫の中身はいつもパンパンだった。笑
(こういうところが母親ゆずりだなぁと悲しく思う。笑)

 

私の根底には、ストックしたい欲・念の為に持っておきたい欲、そして他人の意見を気にする気持ちがあるままなのだ。断捨離やミニマリズムは、単に物を減らせばいいのではなく、こういう精神的な欲求も一緒に手放せなければ意味がないよなぁと思う…

 

本当の意味での断捨離やミニマリズムにはまだまだほど遠いようだ、とゲームを通して実感したのであった。