ふたり暮らし

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ものを減らすことは自分探しの旅である

ふたり暮らし。ものを減らすことは自分探しの旅である。
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ミニマリストしぶさんのお片付けメソッド

「ミニマリストしぶ」というお名前は昔から知っていて、著書も読んだことがあったが、私がしぶさんのYoutubeを観るようになったのはわりと最近のことである。もともとあんまりYoutubeを観る習慣がないというのと、部屋を片付けるには、とにかく捨てまくればいいと単純に考えていたからだ。

 

しぶさんの動画を観るようになって、「もうこれ以上は捨てるものはないな」と思っていた家の中から、まだまだ不用品が出てきたことと、しぶさんのお片付けメソッドに深く納得したため、今では家事をしながら日常的に観る(聴く)ようになった。

 

夫も影響され、長年大切にしていたオーディオ類を手放し、つい最近はスキー板を自らジモティに出していた。近藤麻理恵さんのときめきメソッドにはまったく心を動かされていなかった夫も、しぶさんの理詰めのメソッドには大きく心を動かされたようである。
(しぶさんが男性、という理由も大きいかもしれない。)

 

2024年も残り少ないということもあり、自分の備忘録を兼ねてしぶさんの「お片付けメソッド」を記事にしておこうと思う。

 

片付けの極意

しぶさんのメソッドは単なる捨て活とは違い、「ものを減らすことは自分探しの旅である」というどなたかの名言を地で行くメソッドだ。断捨離の「断」も「捨」も「離」もバランスよく習得できるようになっている。

 

①場所別じゃなく、もの別(種類別)に片付ける。
→服なら服だけ。アウターや部屋着も含め、家中にある服のすべてを1ヶ所に集めてから仕分けを開始する。

 

②収納の中は最初に全出しする。
→把握できていない物が絶対にあるので、収納の中身は全部出すのが基本。

 

③捨てるものではなく、絶対に残したいものを選び取る。
→残したものから自分の価値観を知る。

 

④捨てる時に、なぜそれを捨てるのかを考える。
→同じ失敗をしないために、捨てたものから学ぶ。捨てたものを教訓にする。

 

⑤売る・知人に譲るはしない。自分も断る・もらわない。
→例外として、自宅からすぐ行ける場所にリサイクルショップがあり、状態のいいハイブランドの物であれば売っても良い。ただしメル◯リは禁止。

 

⑥家具家電などの大型のものはジモティにゼロ円で出品する。
→売る時に欲を出さない。自宅に取りに来てくれるだけで儲かっていると考える。ジモティに抵抗がある場合は、次点で行政の粗大ゴミ回収を利用する。

 

⑦物量が多い間は、しっかり時間を確保して短期集中で片づける。
→1日1捨てなどは、物量が減ったお家ならば効果的。

 

⑧要るかどうかで迷ったら捨てる。
→本当に必要なもの・お気に入りのものは絶対に迷わないはず。

 

⑨捨てる時にクリエイティブにならない。
→「パジャマにしようかな」「あれに使えるかも」など、捨てない理由を作ろうとしない。

 

⑩見ないでも挙げられるものが、本当に大切なもの。
→もし盗まれたら確実に気づくもの。

 

⑪目指すのは、物の稼働率100%の家
→1年以内に必ず使う物だけを残す。

 

⑫理想はオープン収納。
→隠すと忘れてしまう。見える収納なら美しくしまおうと物量を考えるようになる。

 

⑬物の出口戦略を考える。
→実際に売るかどうかはべつとして、買う時に「これはいくらで売れるかな?」と考えてから買う。安物買いの銭失いをしない。

 

片付けの順番

しぶさんがおすすめしている片付けの順番は以下の通り。これは、捨てやすくて、且つ、効果が出やすい順(モチベーションが上がる順)である。

 

①明らかなゴミ
②服(中でも嵩張る冬服から)
③本
④書類
⑤日用品
⑥家具家電
⑦思い出の品

 

しぶさんのお片付け動画のおすすめ回

しぶさんは最近、「視聴者さんのご自宅に行って片づける」という企画に全力を注いでいるとのこと。このお片付け動画は「ミニマリストに憧れるけど…片づけられない〇〇の自宅へ」というタイトルが付けられ、シリーズ化されている。

 

それらの中で、私のもっともおすすめな回は、こちらである。↓


www.youtube.com


www.youtube.com

 

どちらも同じ女性のご自宅である。通常であれば1回、長くても2~3回で終了するしぶさんの「出張お片付け」。こちらの女性のご自宅には、なんと動画2本分、7回も行っている。

 

一見、とてもきれいに片付いたマンションで暮らしているナオさん。しぶさんも最初は「これ、片づける必要あります?」と言っていたが、お部屋を詳しく見ていくと、「あっ…これ、1日じゃ終わらないですね。2日越しになりそうです。笑」と意見が変わる。それくらい大量のものたちを、隠して見えないように収納して生活している女性である。

 

私がナオさんの動画を好きな理由は、ご本人がひとつひとつの物と向き合い、葛藤し、痛みをともなって捨てることで、執着を手放していく様子に心をつかまれるからだ。

 

しぶさんの動画では、いわゆる「汚部屋」の住人たちも登場する。玄関を入った瞬間から足の踏み場もないような、ゴミ屋敷に住んでいる(そしてなぜかそういう人は犬を飼っているという…)人たちは、最初こそは抵抗を見せるものの、しぶさんのアドバイスによってどんどん捨てられるようになっていき、大量の物やごみが部屋から無くなっていく様子が観ていてとっても気持ちがいい。

 

でもこのナオさんはかなり手強い。しぶさんのアドバイスに「うーーーーん…」「でも…」「まだ…まだ使います…まだ…」「もうちょっと時間をかけたら…たぶん捨てられます…」と、全然片付かない。ポンポン捨ててスッキリする動画に慣れていた私は、ブランド品の箱も紙袋も一向に捨てられないナオさんを観て、最初ものすごくイライラしてしまった。
(初日に「2日越しになる」と予想していたしぶさんも、ナオさんの捨てるスピードが予想外に遅すぎて、きっと内心イライラしていたんじゃないのかな…と思う。)

 

3日目か4日目の途中、「私的にはこれでもう十分片付いたと思ってます」と逃げ腰になったナオさんにも、しぶさんは逃げることを許さず、自分のメソッドを何度も何度もくり返し伝え続けている。

 

ナオさんは、しぶさんのお片付け企画に自分から応募してきている。こんなふうに「もう十分」「これでも相当減らしました。これ以上は減らせないです」と言っていても、心の奥底では「もっと変わりたい!もっと生活を快適にしたい!」と思っているのがしぶさんにはわかるのだろう。「じゃあ終わりにしましょう」と言うのは簡単だが、しぶさんはナオさんを諦めない。この辛い局面を乗り越えれば、ナオさんは変われるはずだと根気強く寄り添い続けていく。

 

共感できる人は多いはず

世の中には、足の踏み場もないような汚部屋に住んでいる人よりも、ナオさんのように一見きれいに片付いたおうちに住んでいる人のほうが多いと思う。うちの実家もそうだ。

 

ナオさんは56歳で、しぶさんのお片付け企画応募者の中では最年長とのことだが、「年齢を重ねれば重ねるほど、物は捨てられなくなる。要る・要らないの判断をするにもエネルギーが要る。一日でも若いうちに短期集中でやったほうがいい」としぶさんは言う。

 

優柔不断なナオさんを観ているとイライラしてしまうが、その一方で共感できる人は多いはずだ。紙袋ひとつとってもそこに思い出を宿しているナオさん。物に対する思い入れの強さは人それぞれであり、それでも捨てるストレスと闘いながら物に対する執着を手放していく様子に、応援したくなってくる。

 

動画の最後には、しぶさんご自身も「僕も成長できました」と言っている。メソッドを伝えてすんなり納得してポンポン捨てられるようになるのは、言ってみればしぶさんにとっては当たり前の現象で、汚部屋→美部屋というわかりやすい変化で視聴率を稼いでいたところへ、ナオさんのような一筋縄ではいかない依頼人との戦い。笑

 

きっとしぶさんにとっても一生忘れられない出張お片付けになったと思う。長い動画だけれども、ご興味のある方はぜひ観てみてほしい。