ふたり暮らし

明日は明日の風が吹く

家族目線の断捨離

ふたり暮らし。家族目線の断捨離。

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マキシマリストが持っているもの

ミニマリストしぶさんいわく、しぶさんのお片付け企画の依頼人たちが、高確率で所有しているものがあるという。

 

それが、コストコの会員カードと整理収納アドバイザー2級の資格だ。「ものをたくさん持ち、それらをいかに綺麗に整理整頓して収納するか」という方向にがんばる人が多いのだろう。

 

私自身も身に覚えがある。

 

整理収納アドバイザーの資格こそ持っていなかったものの、昔は収納術を磨くのが楽しくて楽しくて、狭い家の中にテトリスのごとく大量のものたちを収納していた。私のその磨き抜かれた技術(笑)に感心した夫が写真を撮って職場で見せたところ、同僚女性にいたく感激され、「これはテレビに応募したほうがいい!」と大絶賛されたそうな。笑
(※私オリジナルの技術ではない。)

 

私は当時、自営業だったのでコストコの法人カードを持っており、月1のペースで通っていた。コストコ大好きな母も誘い、お互いたったふたり暮らしなのに、大量の食料品や日用品を買い込んでいた。

 

現在母は、自ら一般会員の高い会費を払い、コストコに通っている。

 

昨日も近くに住む叔母(ひとり暮らし)とふたりで行ったそうで、大量の収穫物の写真を送って来た。ゆうに5人前はありそうなオードブル3品に、大量のパン、大量のお肉、大量のトイレットペーパー、大量のキッチンペーパー、大量の洗剤、大量のその他諸々。過去の自分を棚に上げて言うのもなんだが、明らかにお金を無駄にしている。

 

育ち盛りの男の子が複数いるような家庭なら、コストコの存在は必要だと思う。でも、母のようなシニアふたり暮らし世帯には絶対にいらないし、そんなに食べ切れるわけがない。「冷凍できるから!」とは言うが、実家の冷凍庫で化石のようになった食材を私は今までに何度も見て来たし、なんなら私自身もかつては化石を作り出す名人だった。

 

断言してもいい。そのコストコで買ったものたちを消費し切る前に、母はまたコストコに行く。

 

断捨離に目覚めた夫

うちの夫はもともと持ち物の数がとても少ない人だ。子どもの頃からお小遣いはほぼすべてゲームに費やしていたそうで、今もそれは変わらない。オンラインゲームのようなネット上で完結する趣味は、ちまちまとした小物が増えないのでいいなと思う。

 

だが、持ち物の数自体が少ないゆえに、「物を処分する」という発想にならないのが夫という人だった。小学校でもらったらしき当時の区長の名前入り定規や、チャックが錆びついて開けにくくなっている中学時代のペンケース、社会人になる時に買ったという重くて使いにくい手帳カバーなどを未だに使用している。

 

そんな夫だったが、引越しで大切にしていたオーディオセットを手放したことで物を手放す気持ちよさを知り、断捨離に目覚めたようである。だが、もともと持ち物が少ないので夫が捨てられるような物はもうない。そこで夫の断捨離欲は私の持ち物に向けられることに。汗

 

夫は私が長年使っていないハンディカムを目ざとく見つけ、「これ、いる?」と訊いてきた。夫の口から出たことのないセリフである。

 

ハンディカムの存在は私も気になってはいた。発表会やコンクール前の生徒さんたちの様子を撮影したもので、ごくごくたまーーーに思い出に浸りたい時にカメラの画面で再生して観ていた。

 

今後何かの動画を撮影することはおそらくないだろう。あったとしてもスマホで事足りる。私がそのカメラを手放せなかったのは、再生機器としての需要があったからである。でも、撮影したものはSDカードに保存してあるし、観ようと思えばパソコンでも観られる。夫のおかげでカメラを手放す決心ができた。

 

ちょうど運動会前のシーズンだったからか、ジモティに出品すると引く手数多。セコいやり方だが、いつも通りにゼロ円で出して、金額を提示してくれた方の中から選ばせていただいた。こちらから「◯◯円です」と出品すると全然買い手がつかないが、無料で出すとびっくりするくらい問い合わせがくる。自宅まで取りに来てもらえてちょっとしたお小遣いまで貰えるジモティ。メルカリが面倒な人にはかなりおすすめである。
(ただし、すべての品物に値段がつくわけではない。)

 

母の好きなもの

母はストックが大好きだ。これまで私も幾度となくその恩恵にあずかった。まだ私が断捨離する前、実家の近くに住んでいた時は実家を倉庫のように使ってさえいた。

 

かつてはマキシマリストだった私だから、母がものを溜め込む気持ちはとても理解できる。だからこそ、母には断捨離に目覚めてほしいと強く思う。

 

マキシマリストを脱するきっかけは人それぞれだと思うが、早ければ早いほどその後の人生は快適になるはずだ。ミニマリストしぶさんもよくおっしゃっている。「ものを捨てるなら1日でも早いほうがいい。ものにはサンクコスト(回収が見込めない費用)がかかるから」。

 

スーパーもドラッグストアもないような山奥にでも住んでいない限り、ストックはひとつずつあれば十分なはず。高齢になって車を運転しなくなれば、大量買いはしなくなるのだろうか。高齢者ほど、面倒でもいっこずつマメに買い物に行ったほうがいいと思う。人間、歩かなくなったらあっという間に弱ってしまうから。

 

家族の目線

断捨離は自分だけでなく、家族の誰かが目覚めると自分以外の目線で家の中を点検できるのだということを、この度夫から学んだ。

 

お互いの持ち物がゴミに見える、という危険性は孕んでいるが(笑)、実際誰かに「これ、いる?」と訊かれると、「…いらないかもな」と思うようになるから不思議だ。ミニマリストしぶさんのお片付け企画に応募する人も、誰かに背中を押してほしいだけなのかもしれない。