ふたり暮らし。引越しで手放したもの、買い足したもの。
引越しで手放したもの
引越しで手放したもの、1つ目はキッチンカウンターとして使っていたチェストだ。前の前のおうちの時に買ったもので、キャスター付きで大きさもちょうどよく、結構気に入っていた。
ただ、買った時はまだミニマリズムに目覚めておらず、あまり深く考えないで便利さに惹かれて衝動的にポチったものだったため、今後も引越しのたびに持ち歩きたいか?と自問したら「いらないな」となった。べつになくても生活できる家具だ。無理に所有しておく必要はない。
2つ目は、夫の古いスピーカーとアンプだ。サウンドの臨場感を出すためのもので、それぞれ役割の違うスピーカーとウーファーがセットになったものだった。たしかに昼間これで観る映画は臨場感があったし、音にこだわる人の気持ちも理解できたが、賃貸暮らしだと夜は使えないし、引越しのたびに長い配線を外したり繋いだりと大変だし、配線周りはほこりがたまりやすく掃除も大変だしで「これ、いつまで持ち歩くのかな」と密かに思っていた。
だから夫が手放すと決意したのは信じられなかったけれど、とても嬉しかった。
3つ目は、上下に収納のついた大きなテレビボードだ。普通に考えたら賃貸で暮らす転勤族が持つような家具じゃない。どう見ても広い持ち家で腰を据えて暮らす人用の家具だ。でも夫の所有していたスピーカーたちを配置するのに必要だったので長年連れて歩いていたが、今回の引越しでとうとう手放した。
私はずっと、「この家具は大きすぎて引越しの足枷になる(部屋の選択肢が狭まる)」と思っていたが、夫がスピーカーを大切にしていたので言い出せなかった。でも今回夫がスピーカーたちを手放してくれたおかげで、このテレビボードも処分することができた。
夫はしばらくの間、「これくらいの家具を持ってもいいくらいの働きはしてるんだけどな…」と呟いていて、私もちょっと可哀想に思ったものの、働きぶり云々ではなく、転勤のある無しで生活スタイルが変わるのは当たり前なのだから、立派な家具を所有したいなら転勤を断るか転職するしかない。あなたの甲斐性とは関係ないじゃん?と励ました。
男性のこの手の不満や悲しみを励ますには、すごく気をつけて言葉を選ばないと逆効果になるので難しい。「もー!それくらいでくよくよするなよ、めんどくさいなぁ!」なんて思ってても言ってはいけない。笑
4つ目はプリンターだ。昔は私の仕事で必要だったが、ここ何年かはまったく使っていなかった。使わなすぎてもインク詰まりで壊れてしまうので、そうなる前にと、ストックのインクと一緒にジモティに出した。
ジモティ大活躍
今回の引越しではジモティにとても助けられた。「高値で売ろう」と思って欲を出すと時間がかかるが、取りに来てくれる方限定でゼロ円で出すと次々に希望者が現れる。そしてセコい話だが、しばらく待っていると、こちらがゼロ円で出品していても「◯◯円出します!(だから私に譲ってください)」という人が必ず現れる。さらにもう少し待っていると、その金額も少しずつ上がっていくから面白い。
ものによって業者間での相場があるのだろう、みんな一定の金額まで上がっていく。金額の上昇が止まったなと思ったら、その中から一番早く取りに来てくれる人を選んで取り引きした。業者さんてどういう人が取りに来るのだろう?と不安だったが、とても感じがよく、コメントのやり取りもスムーズで丁寧だった。
夫のスピーカーだけは、数々の業者さんらしき人たちからのコメントを無視して、明らかに素人っぽい学生さんにお譲りした。相手が業者さんか素人かというのは、その人の取り引き履歴を見れば大体わかる。
業者さんによっては分解してパーツだけを取りたい人もいるので、思い入れのあるものは個人の方にお譲りするほうが、胸は痛まないかもしれない。
引越しで買い足したもの
せっかくものを減らしても、買い足すものもどうしても出てくる。今回は3つ買い足した。
1つ目は、ウォークインクローゼット内に設置する突っ張りハンガーラックだ。新しいおうちはクローゼットの奥行きが広いのだが、奥行きがある割に両サイドの壁には何もなく、背の高い本棚などを置いたりするのを想定しているのだろうか?なんか不思議な空間になっている。ここに棒3本だけで作れる、ものすごくシンプルなハンガーラックを設置することにした。
2つ目は、洗面所に設置する突っ張りラック。今までの物件は全て洗濯機置き場が窪んでいて、上に突っ張り棚を設置できるようになっていたが、今回初めてそれができないことがわかり、洗濯かごを置くためのラックを設置しなければならなかった。洗面所は髪の毛が落ちるのでなるべく床に設置する家具は置きたくないのだが、洗面所以外でも使えそうな汎用性の高い物を選んで設置することにした。
3つ目はテレビスタンドだ。テレビボードは処分したものの、夫の希望でテレビ自体は今後も手放せないとわかり、シンプルなスタンドを購入した。今は棚無しのままだが、いずれここに棚を買い足して、サウンドバーを置きたいのだそう。
結果、3イン4アウト。数としては1つ減っただけだが、大きな家具とややこしいスピーカー類を手放せたことでかなり身軽になれたし、買い足したものはシンプルでコンパクトな物なので、嵩はかなり減った。次の引越しまでにこの嵩が増えないようにしたい。
結果オーライ
住む場所が変われば自ずと必要なものも変わる。転勤族の場合、一生物の家具に囲まれて暮らすことは諦めなければならない。
今回の転勤先が物件の激戦区だったおかげで、間取りを選べる余地がなく、転勤族に不相応な大きな家具を手放す決意ができた。もし、これまでと同じように希望通りの間取りを選べていたら、きっと今でもあのスピーカーとテレビボードを持っていただろう。最初はどうなることかとハラハラしたが、いい方向に転んでよかった。結果オーライだ。
物事はなんでも、捉えようによって「不運」にも「幸運」にもなる。改めてそのことを実感した引越しとなった。