ふたり暮らし。【映画】最高の人生のはじめ方。
モーガン・フリーマン主演 「最高の人生のはじめ方」
私は、映画でも小説でもドラマでも、気に入ったものは何回も何回も繰り返し見るタイプである。私の「リピートライブラリ」に入っている作品の数はそれほど多くはないのだけれど、最近そこに新たに加わった映画がこれだ。
モーガン・フリーマン主演「最高の人生のはじめ方」。
酒浸りだったモンテだが、フィンやその姉妹、母親のシャーロットと時を過ごすうちに、再び古びたタイプライターに向かい始める…
ハートフルなドラマや映画によくある展開といえばそうなのだけれど、こういうシンプルでありきたりなストーリーほど、脚本家(翻訳家)の言葉の選び方や、役者の演技によって作品の魅力が大きく左右される。
モーガン・フリーマンの演技の素晴らしさは、ここで私がわざわざ述べなくともすでに世界中のみなさんがご承知の通りだと思うので、ここでは割愛させていただくとして…
この映画には素敵なセリフがたくさん出てくる。
「想像力は、人類に与えられた最大の力」
「1つのドアが閉まれば、べつのドアが開く」
「そこにないものを探し続けるんだ」
「妻との別れですべてのドアは固く閉ざされた。だがある日、フィンという名の少女が私のドアを叩き、私に脚を返してくれた(モンテは車いす生活者)」
フィンに教えながらも、それ以上のものをフィンから教えられたモンテ。フィンとの別れの前日、モンテは彼女に言う。
「私に娘がいたとしたら、それは君であってほしい」。
映画の前半と後半とでは、モンテの表情や目つきがまるで違い、まるで別人のように見える。モーガン・フリーマンの優しい眼差しは唯一無二だと思う。
人生の喜びとは
フィンの母親シャーロットのセリフも素敵だ。
「心の探求こそが人生の喜びだと、娘たちに教えているの」
強くて優しく、ユーモアにあふれたシャーロット。両親の離婚で反抗的になっている長女のウィローと心を通わせていく過程は、ひとつひとつが短いシーンながらも、これまたとてもいい。
途中、フィンとモンテが仲違いするシーンや、ウィローがつれない態度を取るシーンもあるが、三女のフローラは全編を通してただただ癒しを与えてくれる存在だ。
もうすでに2回観たのだけれど、近いうちにまた観ようと思っている。