ふたり暮らし

明日は明日の風が吹く

最強の敵

ふたり暮らし。最強の敵。
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やる気スイッチは午後には消える

私は昔からやりたくないことをギリギリまでやらないタイプだ。学生時代に友達に言われた「みんなそんなもんだよー」という言葉を鵜呑みにして生きてきたが、教師になってそうではない子が少なからず存在することを知り、「嫌なことを自主的にさっさと済ませられる人ってやっぱりいるのか…」とちょっと落ち込んだ。

 

ダラダラ生きてきた私が、ダラダラせずに精力的に生きようとがんばり始めたのはつい最近のことである。でも根がだらしないので、油断するといとも簡単にだらけてしまう。

 

1日を有意義に過ごすためには、朝の過ごし方が鍵となる。午後にはやる気スイッチが消滅してしまうので、朝のうちにスイッチを押しておかなければならない。

 

以前は毎朝夫が出かける直前にギリギリ起きるという生活だったのだが、今は基本的に5時に起きるようにしている。起きてから1時間くらいは頭も身体も使い物にならないのでスマホを見たり本を読んだりしてダラダラし、その後ようやく勉強に取りかかる…のだが、まったくやる気が出ない日も多々ある。

 

いきなりディクテーションなどの脳みそに負担のかかる項目をやるのは無理なので、取り敢えずアプリでポチポチやる。私はmikanというアプリに課金していて、このmikanちゃんが私のやる気スイッチなのだ。この子がいなかったらとっくに挫折していたと思う。机に向かう時間がない時や、全然やる気が湧かない時でも、この子と一緒ならがんばれる。今や私の心の友だ。

 

スライムに屈服

mikanちゃんのおかげで、勉強だけでなくその勢いのまま家事にもやる気が出る。洗濯と掃除と日によっては夕ごはんの下ごしらえまでちゃちゃっと済ませ、すべて終えると充足した気分で床に寝っ転がる。するともう、そこからしばらく動けない。活力の満ちていた午前中とは打って変わって、午後になると自堕落病が発症するのだ。もうなんっにもやる気が起きない。ゴロゴロした末、そのまま意識を失っていることもよくある。

 

Switch2の抽選に当選したフレンドが、「これはみんな買ったほうがいい!」としきりに言う。今とあるMMORPGに誘われていて、それがかなり魅力的なのでほかのみんなも心が動いているようだ。私もやりたいなーという気持ちと、やり始めは大変なんだよな…という気持ちとで揺れ動いている。
(そもそも、Switch2が買えるようになるのはずっと先のことだろうけど。)

 

ゲームに限らずだが、「何かにハマる」ということ自体が昔より面倒くさく感じるようになった気がする。ハマると楽しいのはわかっていても、そこに至るまでの過程を楽しむエネルギーがない。ひたすら木の棒でスライムを叩いてレベル上げをする、というようなのがもうしんどいのだ。本来はそれが楽しいはずなのだが、一体どうしてこうなってしまったのだろうか。推し活に生きがいを見出している人がとてもまぶしい。

 

最強の敵は…

スライムごときに屈服するのは悔しいが、「今はせっかく始めた英語の勉強に打ち込みなさい」ということなのだろう。正直、「もうやーめた!」と言いたくなることはしょっちゅうある。目標が定まっていないので強い気持ちが持てないのだ。私は昔からそうだった。

 

英語に関してはスライムレベルから卒業できた今、たしかに以前より勉強が楽しいと思うことが増えた。ただどうしても、「楽しい」よりも「面倒くさい」が勝ってしまう。「面倒くさい」が私にとっては最強の敵である。

 

昔、生徒さんのご両親に、ご夫婦揃って超アクティブ&エネルギッシュな人がいた。お互いに夜勤もある共働きの中、ふたりの娘さんたちを別々の曜日と時間帯に週に何度も送り迎えし、貴重なお休みには手分けしてお姉ちゃんとライブ、妹ちゃんと体験教室、みたいなスケジュールを組み、さらにママはお料理上手で、ちょいちょい手書きのお手紙つきでお菓子の差し入れをしてくださり、パパは地域のお祭りの実行委員まで担い、唯一夫婦で休めるお盆とお正月には必ず海外旅行に行く、という、私なんかは聞いてるだけで倒れそうになるような生活を送っていた。
(娘さんたち曰く、「パパとママがソファに座ってるとこは見たことない」らしい。)

 

私の1億倍くらい体力と気力のあるご夫婦である。「毎日もう死にそう〜」と言いながら、その表情はいつも明るくてどこか楽しそうだった。娘さんたちから「この前ママと◯◯した」「昨日はパパと◯◯行った」などと話を聞くたびに、なんかこっちのエネルギーが吸い取られているような気さえして、「想像しただけで疲れるってこういうことを言うんだな…」と思ったりしていた。

 

ここまでじゃなくとも、体力と気力のある人っていいなと思う。人生の充実度が違うから。私もコロナ前はカナダに住む義妹のところに遊びに行ったりもしていたのだが、コロナで一度行かなくなったら、行くのが面倒になってしまった。面倒くさいという最強の敵は、人生の楽しみさえこうやって奪っていくのである。

 

とはいえ、私は私なりに少ない気力を省エネに使いながらそこそこ人生を楽しんではいるので、「もっとアクティブに生きたい!」という願望もあまりないのだが、気力の充実した人がうらやましいことには変わりない。私が憧れる夫の母も気力オバケだ。

 

体力はともかく、気力を増やす方法ってあるのだろうか。あったら知りたい。