ふたり暮らし。適当だけどOKは言わない女。
身についたのは適当力
英語のディクテーション(聞き取ったまま書き起こす)に取り組み始めて約1ヶ月。毎日最低でも1時間はディクテーションとそのアウトプットにかけるようにしている。
ディクテーションにはそれまで観たことのなかったアメリカドラマを使っている。1話だいたい45分程度で、書き起こすのに2〜3日かかる。1ヶ月続けてみて感じた変化は、リスニング力の向上よりも、むしろ適当に聞き流す力だ。
適当にというと語弊があるが、聞き取れない単語や、そもそも知らない単語も多いので、セリフのすべてを正確に書き起こすことなんてまず不可能である。でも、たとえ全然聞き取れなかったとしても、ドラマなのでセリフの内容は予想がつく。英語はセリフの頭に重要な単語がくるため、文の最初さえちゃんと聞き取れていれば、後半があまり聞き取れなくてもそこまでわけわかんない状況にはなりにくい。
で、最初の頃は何度も何度も巻き戻して一言一句すべてをちゃんと書き起こしていたのだが、最近は文章の最初の単語と、あとは強く言っている部分などを書き起こし、わからない部分は無理に書き起こさないことにした。
よく考えたら日本語だって同じだ。会話中に相手の一言一句すべてちゃんと拾って聞いてる人なんていない。みんな話のオチを予想しながらなんとなく聞いている。英語の場合はオチが最初にくるので、それがどうしてそうなったのかを予想して聞くようにすればいいのだ。
会話力もちょっと向上
全部が全部聞き取れなくてもいいや!と思えるようになると、会話力もちょっと向上した。最後まで聞き取れなくても、前後の文脈から予想してなんとなくノリで乗り切れるようになったのだ。ノリで乗り切れるようになると、憧れの雑談もちょっとはできるようになる。
職場AでもBでも、ほとんどのお客様はこちらに合わせたスピードと発音で話してくださるので、雑談していても知らない単語は「あ、これ知らない単語(言い回し)だ」とすぐにわかる。実際に会話中に出てきた言葉だとあとで意味を調べた時に頭に残りやすく、家に帰って会話を再現して練習すれば、そのうち自分でも使えるようになる。
外国人従業員の人たちと同じようにはまだまだ全然いかないが、ちょっと一歩を踏み出せた感がある。陽気なお客様に「君の英語は完璧だよ!」と言われたりすると、お世辞とわかっていても嬉しい。ただ単に完璧の基準が違うだけなのかもしれないが。笑
とにかくOKと言わせたい外国人
職場Aでアジア人の男性客に話しかけられ、神経を研ぎ澄ませて耳を傾けていたら、どうやら英語ではないと気づいた。
ところどころ英語っぽいのに全然意味が理解できないのだ。たぶんフィリピン語とかベトナム語とかをまぜているんだと思われる。海外版出川イングリッシュだ。
日本語と混ぜてくれるなら理解できるが、ひと言もわからない言語と混ぜられるとお手上げだ。しつこく何かを求めているのだがまったくわからなかった。それなのに、その男性はやたらと文の最後に「OK?」と訊いてくるのだ。
「 ⭐︎※△◻︎⊿⭐︎#⁂※◻︎#⭐︎£ OK?」
「 #⁂※◻︎⭐︎※◻︎⊿⭐︎#⁂※◻︎#⭐︎ OK?」
こちらが何かを訊き返しても、それには答えずに「OK?OK?」ばかりくり返し言ってくる。何がなんでもOKを言わせたいらしい。その手には乗るもんか。
何を言ってるかさっぱりわからなかったが、とりあえず拒否することにした。こちらも対抗して、何を言われてもNO!と拒否していたらようやく諦めたらしく、自分の席に戻って行った。その男性にお連れの方はおらず、入店時の様子から見て東南アジアの人だろうとは思うのだが、その勝手に作った言語を使ってこれからどこへ行くのだろう。行く先々で相手をする日本人が苦労するだろうなと思った。
日本人は「OK?」と訊かれると、よくわかんなくてもついつい「OK!」と言いがちなのだそう。接客業は言質を取られると面倒なことになるので、これからも気を引き締めて簡単にはOKと言わない女でいこうと思う。