ふたり暮らし

明日は明日の風が吹く

時代遅れと言われようとも…

ふたり暮らし。時代遅れと言われようとも…。
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インスタに物申す

職場の人に、話の流れでインスタを交換しようと言われた。相手は私と同年代なのに、LINEじゃなくてインスタの交換を提案してきたことに驚いた。高校生の娘さんがいるらしいので、やっぱりその辺の感覚が若いのかもしれない。

 

私のインスタは夫しか見られない鍵垢だ。日記のように使っている。なのでそう言って断ったところ、「交換用アカウント持ってないの?」とびっくりされた。え?びっくりされたことにびっくりなんですけど…(私が時代遅れ過ぎるのか)。結局その話はそこで終わったのだが、インスタで連絡を取り合うという感覚はわからないままである。LINEですら画期的ですごい世の中になったもんだと思っていたのに、もうそれすらも時代遅れになっているなんて…。こうやって人はどんどん時代に取り残されて行くのだろう。悲

 

でもね、時代遅れだと言われようがなんだろうが、私はインスタにひと言もふた言も言いたいことがあるんですよ。

 

インスタの登場によって馬鹿な若者増えたよね!?
インスタの登場によって馬鹿な大人も増えたよね!?

 

ドローンが登場した時もそうだったが、便利で画期的な反面、ちょっと考えれば犯罪行為に使われてしまう危険性があるのは素人でも想像がつく。子どもが飛ばして事故が増えることも想像がつく。なのに開発者側は使う人のモラルに頼るだけで、事故や事件が起きると自己責任だと言う。小さい子に飴を与えておいて、喉に詰まらせてしまったのを見て「自己責任」なんて言う大人はいないのに、危険なものを与えるだけ与えておいて、それによる弊害を自己責任の言葉で片付けるのは無責任だなぁと思う。

 

顔も名前も住んでる地域も…

私は元教え子や友人知人の教室アカウントをフォローしているため、主にバレエの投稿がおすすめに流れてくるのだが、衣装を着ている舞台写真ならともかく、レッスン中のレオタード姿も載せるのは、正直言って「これって大丈夫なのかな…」と思う。

 

浅田真央ちゃんが大人気だった頃、真央ちゃんの競技写真を性的な目で見ている人たちのスレッドを読み、ものすごく嫌悪感を持ったのだが、同時に「スポーツや芸術をこんな目で見る人ってこんなにたくさんいるんだ」ということを知ることができた。

 

私が教室をやっていた頃はまだまだホームページが主流で、それでも載せる写真には相当気をつけていた。でもインスタは動画が多いため、見るほうがその気になればいくらでも静止画を作れてしまう。それを性的な目で見る人は必ずいるだろう。レッスン中の動画は舞台写真と違って素顔もしっかりわかる。そこに抵抗を感じる私はおかしいだろうか。

 

教室の宣伝媒体としてインスタはとても優れているとは思う。ホームページと違って気軽に更新できるから情報の鮮度も高いし、レッスン動画を載せることで、その教室がどんなメソッドを使ってどんな指導をしているかがわかり、教室探しをする側にとっては非常に助かる。生徒側も自分が教室のインスタに載ることを誇りに思っている子も多いだろう。

 

でも、そのアカウントには教室の場所もレッスンスケジュールも載っている。動画を観た変質者がその気になれば、その子の通う時間帯を調べ、教室の近くで待ち伏せすることもできてしまう。下手すると名前の書かれたコンクールの賞状や盾を持った写真まで載っていたりするので、そうなればもう、一度狙われたらおしまいである。

 

インスタのなかった時代にもコンクール会場などに出没する変質者はいた。当時は「なにあのおじさん」としか思っていなかったが、今にして思えばあれはそういうことだったのだろう。大きなコンクールは出場者の人数も多ければ、カメラマンや舞台スタッフの人数も多いので出入りが激しく、カメラを持ったおじさんがちょっとウロウロしていても、そこまで気に留めていなかった。数年前にコンクールのお手伝いに行った時は、出入り証が配られたので、今は昔より警備が厳しくなったようだ。

 

バレエ関係者は疎い人が多い

昔テレビで、有名バレエ団の付属教室を取材した番組があったのだが、取材班がレッスン生の男の子に「こんなレオタード姿の女の子たちに囲まれて、いやらしい気持ちになったりしないのか」と質問していた。男の子は「は?」という顔で「いや、全然ないです」と答えていて、「超人的な理性の持ち主だ!笑」というようなテロップが流れた。

 

なんの取材だよ!?全然面白くないんですけど!!(怒)と観ながら思っていたのだが、世間一般の男性からみたバレエはこれが普通の感覚なのだろう。バレエの世界にいる人たちがそういうことに疎いのは確かである。

 

私が今も教室をやっていたら、きっとインスタをやっていたと思う。何にも考えず、生徒の写真や動画もバンバン上げていたかもしれない。バレエをやっている側はバレエに性的なものを感じることがないので、危険性なんてわからないし悪気もないのだ。だからここは保護者の方が抑止力になってあげてほしい。「先生、この写真は危険です」「せめて顔はぼかしてください」と、教師に意見を言わないと、子どもたちはずっと危険に晒されたままだ。

 

いいこともある

ドローンとインスタの合わせ技で、世界中の風景が気軽に見られるようになったのは、個人的にすごく嬉しいことだ。お客様との会話で故郷の話になったりすると、帰ってから検索して見ることもある。

 

革新的な技術はこういうことにだけ使ってほしい。これはこれで、たとえば風景写真集が売れなくなったなどの側面もあるだろうから手放しで歓迎できるわけでもないかもしれないが、少なくとも誰かに危険が及ぶことはない。

 

便利でいい世の中になったなぁと思う反面、便利さと危険性はつねに隣り合わせなのだということを感じることも増えた。

 

「昔はよかった」と言い始めたら歳をとった証拠だと言われているが、自分が10代の時にスマホがなくて良かったと心から思う。大人ですら支配されてしまうこの小さな機械に、精神の未熟な子どもが勝てるわけがない。スマホの生みの親であるスティーブ・ジョブズは、自分の子どもに対してスマホの使用を厳しく制限していたという話があるが、まさにそれがこの世の縮図を表しているなと感じて空恐ろしい。

 

もうスマホのない生活は考えられない。でも時々、スマホを捨てたくなるのもまた事実である。10年後20年後の世界では、いったいどんなモノが人間の生活を支配しているのだろうか。楽しみなような、恐ろしいような…。教えてドラえもん。