ふたり暮らし。春の雪。
雪が降った週末
関東でも雪が降った。びしょびしょの雪だったので道路には積もらなかったが、その何日か前は暑いくらいの気候だったのでその寒暖差に驚く。
スプリングコートを着るくらい暖かい日があったせいで、今年はもう着ないかなーと思い、冬用の厚手のセーターの毛玉を取り、今シーズン最後の洗濯をしてしまった。もう一度毛玉チェックと洗濯をするのが嫌なので、もう意地でも着ないぞ…!と思っていたのだが、あまりの寒さに結局また着るはめになった。あー、洗濯するタイミングが早かった…
雪が降った日、朝の予報では夕方から雨だった。その日は運悪く職場AとBのかけもちシフトだったため、帰りは夜中だ。雨かぁ、だるいなーなんて思っていたら、いつの間にかみぞれになり、気づいたら雪になり、あれよあれよという間に植え込みなどに積もっていった。飛行機が飛ばないと職場Bでは残業が決定してしまう。お願い!とりあえず飛んで!私が上がったあとなら戻ってきてもいいから!と心の中で身勝手なことを祈りながら仕事をしていた。
飛行機は遅れが出たものの無事に飛ぶことになったようで、社員のみなさんは遅延したぶん居残りだが、私たちバイトは帰れることになった。
何かとすぐに遅延・運休するJRが日頃から信用ならず、雪なんて降った日には絶対に動いてないと決めてかかっていたのだが、その日は何故か普通に運行していた。私鉄で帰るつもりでいたから嬉しかった。ありがとう!JRさん!
駅に着くとまだ雪が降っていて、4〜5センチほどの厚みの雪を乗せた車がたくさん止まっていた。23時をとっくに過ぎていたが、空港で働く人が帰宅する時間なのでお迎えの車が普段から多いのだ。
若い子たちはもちろんのこと、お父さん風の人たちも続々とお迎えの車に乗り込んでいく。こんな雪の日でも(雪だからこそ?)迎えに来てもらえるなんて、みんな家族に大切にされているんだなぁと温かい気持ちになった。かくいう私も、家はすぐそこだが夫が迎えに来てくれていた。震える身体で暖房の効いた愛車に乗り込んだ時、「結婚ていいもんだなぁ」としみじみ思った。
つかの間の夢
自宅に着き、車から降りて屋根の雪を手ですくってみた。水分をたっぷり含んだ重い雪だったが、久しぶりの感覚に童心がくすぐられた。屋根の雪を全部集めれば小さい雪だるまが作れるなぁと手でギュッギュッと丸め始めたら、夫は「何やってんの。帰るよ」とスタスタ歩き出してしまった。
この寒い中わざわざお迎えに来てくれただけでじゅうぶん優しいのだが、ちょっとぐらい付き合ってくれてもいいじゃん…と少しさみしくなった。ひとりで作ってもつまらないので、名残惜しく思いながら私も家に入った。
きっと世間の子どもたちは今頃「もっと降れー!」「明日積もるかなぁ?」などと期待に満ちた顔で窓の外を眺めているのだろう。そして親たちは「やんでくれなきゃ困る」とか「これくらいじゃ積もらないわよ」とか言って子どもたちの夢を壊しているんだろうな、と思う。笑
私も雪は好きだが積もるのはめちゃめちゃ困る。大人になるってそういうことなのだ。
嘘のように晴れた日曜日
翌日は前日の雪が嘘だったかのようにピッカピカに晴れた。凍結を心配していた北側の階段もすっかり雪が溶け、日が当たる部分は乾いてすらいた。
おー!いいお天気!子どもたちには申し訳ないが、やっぱり雪は溶けてくれたほうがいい。スタッドレスを履いていない人がほとんどの地域で雪なんか降ると、道を歩いているだけで命の危険を感じるし、雪道を歩き慣れてない人がおっかなびっくり歩くので見ていてハラハラしてしまう。私も人のこと言ってる場合ではないが。笑
何年か前、3月の終わりだったか4月の頭だったかに雪が降ったことがある。桜と雪の組み合わせという珍しい光景を見るために、雪の降る中夫と散歩した。いつまでも寒いのは嫌だけども、春の雪というのもいいもんだなぁと思ったものだ。
今回はまだ桜は咲いていなかったが、菜の花やパンジーの咲く花壇に雪が降り積もっているのはなかなかに素敵な光景だった。仕事じゃなければもうちょっといろいろ見に出かけたかったなぁ…
春の風物詩
関東は今日も晴れている。花粉症の夫は朝から目をゴシゴシしながら出勤して行った。そういえば、去年の今頃は私も「もしかしてついに花粉症!?」と思うような症状があったが、今年はなんともない。あれはやっぱりただの鼻風邪だったのだろうか。あるいは東京から成田に来て空気が綺麗になったことも関係しているのかもしれない。こっちは空気が軽い。
きっと近々春一番も吹くだろう。そこかしこから沈丁花の香りがしてくるようになって、そうしたら本格的に春到来だ。
虫さえ寝ててくれれば春は大好きなんだけどな。笑