ふたり暮らし

明日は明日の風が吹く

物件ガチャ

ふたり暮らし。物件ガチャ。
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赤ちゃんの泣き声と幼児の足音

同棲前、夫が暮らしていたのは木造2階建てのアパートだった。

 

上の部屋には2〜3歳の男の子のいるご夫婦が住んでおり、昼夜問わずドタバタドタバタと走り回り、時折どこからか飛び降りているのか、ドォーン!という音が響いてきていた。いつも天井がミシミシしていて、「そのうち天井に穴があいて男の子が落ちてくるんじゃないか。」と、半ば本気で思っていた。

 

夫も私も眠りが深いタイプなので足音で起こされることはなかったのだが、一度泊まりに来た夫の友達には、「お前、よくこんなところで寝られるな」と言われたそうである。

 

騒音のひとつに、赤ちゃんの泣き声と幼児の足音がよく挙がる。どちらも経験があるが、個人的にはまだ泣き声のほうがマシな気がする。小さい子は脚が短いんだから歩けばドタドタするに決まっている。そしてドタドタ歩きは足音そのものよりも振動が伝わってくるので、音だけの時よりも一層うるさく感じてしまうのだ。

 

その経験から、同棲を始めた時にはメゾネットの物件を選んだ。間取りは2LDKで、左右にはうちと同じくらいの若いカップルと、幼稚園の男の子がふたりいるご家族が住んでいた。

 

予想外の騒音主

上下に人が住んでいないのは快適だった。足音も気にならないし、こちらも必要以上に神経を使わずにすむ。隣の男の子たちはわんぱく盛りだったが、バッタリ会えば、はにかみながら「…こんにちは(テヘ)」と挨拶してくれるようなおりこうさん達だったので、多少のうるささは全然気にならなかった。

 

その物件でもっとも悩まされたのはお母さんの怒鳴り声と物音だ。笑

 

小さい男の子がふたりもいれば、そりゃお母さんも怒ることは多いだろうと予想はつくが、それにしても毎日ほとんど怒鳴っていた。普通の話し声も大きく、しかも夏だろうが冬だろうが日中窓を開けているお家だったため、会話の内容もダダ漏れだ。

 

「ジュース持ったまま洗濯物またがないで」

「ねぇ、またがないで!」

「やめてって言ってんでしょ!」

「あ"ーーもーーっ!!だから言ったでしょおおおーーーー!!!」

 

などと、もう手に取るように状況が見えてきて笑わずにはいられなかった。

 

すごく几帳面な人だったのか、毎日毎日、家具をどかして掃除機をかけていたようで、家具を引き摺る音やキャスターを転がす音とともに、掃除機がガツンガツンと壁に当たりまくっていた。ベランダで洗濯物を干してるなーと思っていたら、パーーーン!パーーーン!パーーーン!パーーーン!パーーーン!と、「どんだけシワ伸ばすねん!」と言いたくなるぐらい、一枚一枚はたきながら丁寧に干していた。しかも夜に。

 

小さい子のいるお家はうるさい、と騒音を子どものせいにしがちだが、騒音の主は子どもじゃないこともあるんだなぁと知った。

 

憎き補助輪

3階建てのマンションに住んでいた時は、立地的に子育てしにくそうな場所だったためか、しばらくは子どもの気配もまったくなく、日中もすごく静かに暮らしていた。

 

だがある日突然、その日はやってきた。

 

爽やかな風が気持ちのいい5月。窓を開けて発表会の振り付けを考えていたら、急に外からガーーー!ガーーー!と不快な音が聞こえてきた。

 

最初は宅配便の台車の音かと思っていたが、あんまりにも何度も往復していたため気が散って仕事にならず、ベランダから覗いてみると、小さい男の子が補助輪付き自転車で棟と棟の間の遊歩道をひたすら往復していたのである。

 

車も通らないし、部屋から様子も見えるしで、たしかに子どもを遊ばせとくには安心な環境なのかもしれないが、いくらなんでもうるさすぎる。せっかく気候のいい季節だったが、窓を閉めざるを得ず、しかも窓を閉めても気休め程度なので、晴れの日は毎日補助輪の音に悩まされていた。

 

大した距離もないのに、よく飽きもせずに毎日往復してられるもんだと感心してしまう。早く補助輪無しに乗れるようになってくれ!と、顔も知らないよその子の成長をひたすら願う日々だった。

 

集合住宅に騒音はつきもの

集合住宅で完全に静かな物件というのはないのかもしれない。

 

「ああ隣は女の子同士でルームシェアしてるんだな」とか、「所作のうるさい人が住んでいるな」とか、「低音の響くイケボの男性が住んでいるな」とか、漏れ聞こえる音からそれぞれの住人の予想がついてしまうのが、集合住宅というものだ。

 

ここに来る前のマンションは、鉄筋コンクリートのしっかりした造りだったにもかかわらず、上(?)の部屋はリモートワークしてるんだなとわかったし、隣の部屋の男性はたぶんゲームか何かをやっていて、やられるたびに「あ"ーーーー!!」と叫んでコントローラーかなにかを投げつけていたと思う。笑
(壁が厚かったので騒音というほどではなかったが。)

 

今、私たちはアパートの3階、最上階に住んでいる。上に住むのはそれはそれで神経を使う。足音もそうだし、物をうっかり落としてしまった時や、引き戸の開け閉めなど、物音はどうしても下の階に響いてしまう。

 

不定期に下の部屋から天井を突き上げる音がしてきて、「あっ、うるさかったのか!」と反省していたのだが、その頻度が徐々に上がり、私たちが座ってお茶を飲んで静かにしている時にもドン!とくるため、「騒音元はうちじゃないな」と思うようになった。

 

ついに先日、天井ドン!のあと、下の部屋の方が我が家にやってきて、「静かにしてほしい」とお願いされたのだが、その時私は座ってスマホを見ていただけだったので、「うちじゃないです」と言った。それまでの天井ドン!の時も静かにしているタイミングの時が多かったと伝えると、お相手の方はとても申し訳なさそうに謝ってくださった。

 

どんな騒音がするのかと訊くと、断続的にドンドンドンだかドコドコドコだか聞こえるそうで、生活音ではないという。こちらも除湿器の下に防音マットを敷いたりして対策しているが、そういう振動音でもないと。

 

結局、今もなんの音なのかわからず、でも、下の部屋の方と少しでもお話しすることができたのはよかったなと思う。下の部屋の方がなにもアクションをおこさず我慢するタイプの方だったら、こちらも油断して物音を立てて暮らしてしまっていたかもしれない。

 

今後も集合住宅で暮らしていくことを考えれば、静かに生活する癖はつけておいたほうがよい。自分が騒音を立てる側になっているかもしれないと気づかせてくれてありがとう、という気持ちだ。

 

騒音は物件の不具合にあることも

ここに越してきた当初、エアコンの室外機が「今からこの部屋は離陸でもするんですか?」と訊きたくなるぐらいうるさかったため、管理会社に連絡して交換してもらった。

 

無事に我が家のエアコンは静かになったのだが、今度は隣の部屋の室外機の音がうるさくなった。ブーーーーーーーーーーンという音とともに、壁づけされているためにガタガタガタガタ振動音もすごい。よく隣の人は我慢できるなぁと思う。

 

備え付けの家電の不具合やウォーターハンマー現象など、騒音の原因が住人にはないこともある。管理会社に言って対応してくれる場合はいいが、そうでない場合は自分が我慢するか引越すかだ。いい物件に住めるかどうかは、もうほぼ神頼みといえる。

 

こんな感じで私たちの物件ガチャは今後も続いていく。