ふたり暮らし。意地悪な日本人。
外国人だらけの街
今住んでいるところは、昔から外国人の多い地域だ。観光客だけでなく、ここに住んでいる外国人もとても多い。大きなスーパーに行くと、日本人よりも圧倒的に外国人が多く、レジのパートをするにも簡単な英会話は必須である。
先月、引越し諸々の手続きをするために市役所や警察署に行って驚いた。どこもかしこも外国人だらけなのだ。役所に来ているということは観光客ではない。移民だ。窓口の案内も日本語英語中国語韓国語あとなんかよくわかんない言語が書かれていて、「え、ここはほんとに日本なの?」と思った。
日本人として非常に危機感を感じる。中国人韓国人もたいがいだが、よくわかんないイスラム系の人が多いのはもっとヤバい気がする。
市内の公営団地は外国人でほぼ埋まっているらしく、老朽化で建て替えたくても、外国人居住者が出てくれないのでもうずっと前から計画が頓挫したままだと聞く。いくら古いとはいえ、外国人にとっては、母国の建物より快適なのだろうから「建て替えなくていい」と拒否されて当たり前だ。だからもう建て替えなくていいんじゃないかと思う。大地震が来て家が崩れたとしても、自業自得ですねってことでほっとけばよい。
ゴミ問題や騒音問題など、デメリットの多い移民の街だが、外国人が多い街なりのメリットもある。食べ物屋さんがジャンル豊富でおいしいお店ばかりなのだ。私たち夫婦は食い意地が張っているので、そこだけは大変ありがたい。レバノン料理なんてこの街に来て初めて食べた。韓国料理と中国料理はもちろんのこと、台湾料理のお店もベトナム料理のお店もハーラル料理のお店もある。…まるで日本じゃないみたい。
私は意地悪な日本人
私の職場にくるお客様も、その半数が外国人である。どちらかというと観光客が多く、この観光客がまた厄介だ。
移民の外国人は、一応簡単な日本語なら話せる人が多い。少なくともグループに1人は必ず日本語のわかる人がいる。でも観光客、とくに欧米人はそうではない。「英語は公用語だ!」と言わんばかりに最初っから英語で話しかけてくるのである。
私は性格が悪いので、当然のように英語で話しかけてきた人には日本語で返す。日本人のお客様と同じように、敬語を使って大人の言葉で丁寧に説明してあげている。相手は当然理解できるわけがないが、絶対にこちらのスタンスは崩さない。コイツ意地悪な日本人だなーと思ってもらって結構。
でも逆に、ひとこと目が「アノ…スミマセン」だったり、カタコトでも一生懸命日本語を使っていたりすれば、こちらも小学生向けくらいのわかりやすい日本語で答えたり、場合によっては英語で答えてあげたりもする。
だってここは日本だ。旅行者側が行く国の言葉を調べるのが当たり前だし、旅行者側で翻訳アプリを用意するのが当たり前だ。なんでこっちがそっちに合わせなきゃならないのか。簡単な受け答えくらい練習してから来いや!と思う。
先日も、夫と歩いていた道端で外国人に話しかけられた。夫は私より英語が堪能なので親切に答えてあげようとしていたが、私がそれをあからさまに遮って日本語で説明をし始めたら、相手の外国人は何かを悟ったのか、語尾に「…マスカ?」とつけて訊いてくるようになった。心の中で、「勝った!」と思った。
相手が態度を変えてくれたのだから、こちらももちろん変えた。日本語のあとに英単語を足して、まるで無料の日本語講座のように親切に対応してあげたら、最後はちゃんと「センキューソゥマッチ!アリガトゴザイマス!」と言って去っていった。なんだ、キミもやればできるじゃん。この機に日本語をもっと頑張りたまえと謎の優越感を持って応援しておいた。
一連の様子を横で見ていた夫は、そのあと大ウケしていた。
優しい日本人
よく、日本人は優しくて親切だ、と言われる。実際その通りだと思う。日本人はみんな優しくて親切だ。奈良の鹿さんを蹴る不届き中国人が後をたたないことを思えば、日本人の相手を思いやる心や、人も動物も物も大切にする精神は無形文化遺産に登録されてもいいぐらいだと思う。
でも、だから舐められている。
昔はそんな風に感じたりしなかったが、最近はすごくそう感じる。円安の影響も大きいのだろう。日本人に対して偉そうな外国人観光客がとても増えた。まあ、ひと昔前は東南アジアなどでの日本人の態度もそんな感じだったのだろうから、因果応報としか言えないきらいもあるが、よその国に来てずいぶん態度がでかいじゃないの、と呆れてしまう。どうせ困ってるのはそっちなんだし、そんな態度で来るならそこでそのまま困っとけ!といつも思う。
(もちろん、感じのいい人の方が多いが。)
そういう外国人に対しては、私は意地悪な日本人だ。職場でそれを貫いていたら、パート仲間の人たちもだんだんそれに倣うようになってきた。
ただでさえ業務の多い昼時の飲食店、言葉の通じないお客なんて相手にしてられない。とくに英語が苦手な従業員は、今まではややこしいことを訊かれるたびに英語のわかる人を呼んでいたが、最近は「ノーイングリッシュ!」と言ってその場を去るようにしているらしい。笑
それでキレている様子の外国人もいるが、自分の国じゃないのでクレームを言える相手もおらず、どうしようもない。言いたいことも言えないこんな世の中じゃ…と脳内でポイズンしとけばいいのだ。
その点だけで言うと、中国人や韓国人観光客は楽だ。中国人はキレているのがデフォなので、たとえ意図が伝わらないせいでキレていたとしても、こちらは関係ない。韓国人は若い人ほど礼儀正しいし、カタコトの日本語を話そうともしてくれる。日本もそうだが、どこの国の人でも若者はたいてい礼儀正しい。
話を戻すと、うちの店のメニューにはちゃんと写真も載ってるし各国語で表記もある。ご丁寧にアレルギーやイスラム教の人のための原材料表もついている。得体の知れない料理じゃないんだから、そんなわからないこともないだろう。トイレの場所?ちょっと見まわしたら看板が見える、自分で探せ。どこどこへの行き方?その手に持っている端末でいくらでも調べられる、自分でなんとかしろ。
でも頑張って日本語を使おうとしてくれるなら話はべつだ。忙しくても親切に対応する。だって私は優しくて親切な日本人だから。